著者
松永 是
出版者
一般社団法人日本物理学会
雑誌
日本物理学会誌 (ISSN:00290181)
巻号頁・発行日
vol.45, no.4, pp.227-232, 1990

最近, 各種の生物に磁性物質が含まれていることが明らかにされ, 種々な分野にわたって研究が進められている. 生物が合成する磁気微粒子の生成機構については, いまだに解明されていないが, 様々なキャラクタリゼーションが行われている. その結果によると, 磁気微粒子は単磁区構造を示し, その大きさも50~150 nmと小さく, さらにそのまわりは有機薄膜で覆われていることがこれまでに確認された. ここでは「生物と磁石」について動物および微生物で得られた知見を紹介し, さらに特に研究が盛んに行われている走磁性細菌について, その磁気微粒子の抽出法, キャラクタリゼーション, およびその応用について述べる.

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