著者
有馬 雅史 湯川 瀧雄 寺師 義典 相良 博典 牧野 荘平
出版者
一般社団法人 日本アレルギー学会
雑誌
アレルギー
巻号頁・発行日
vol.40, no.2, pp.141-146, 1991
被引用文献数
2

我々は, すでに卵白アルブミン (OA) 反復吸入能動感作モルモットで抗原曝露後, 50%以上の動物に遅発型発作 (LAR) の出現と, さらに24時間から5日後に気道反応性の亢進が認められることを報告している. 今回, 血小板活性化因子 (PAF) の関与を検討する目的で, 特異的 PAF 桔抗薬である WEB2086 の影響をこれらのモデルを用いて検討した. OAの反復吸入曝露によって感作したモルモットの呼吸低抗は, oscillation 法によって行い, 気道過敏性は, histamine の aerozol 吸入にて呼吸抵抗が baseline の200%に増加する濃度 (PC_<200>Hist.) を以って評価した. OA 10mg/ml を5分間, 感作モルモットに吸入曝露し, 曝露の30分前および3時間後に投与した WEB2086 (3mg/kg×2, i.v.)は, 曝露24時間と5日後における気道過敏性の亢進を有意に抑制した. また, diphenhydramine hydrochloride (60mg/kg, i.p.) を15分前に処置した感作モルモットに OA の20mg/ml を10分間吸入曝露させた場合の即時型の呼吸抵抗の亢進 (IAR) およびその後の LAR において, 曝露30分前および3時間後の WEB2086 (3mg/kg×2, i.v.) の投与は, IAR には影響を及ぼさなかったが, LAR の出現を明らかに抑制した. 以上より気管支喘息患者の LAR 及び気道過敏性の亢進の発現には, PAF の関与が示唆された.

言及状況

外部データベース (DOI)

Twitter (1 users, 1 posts, 0 favorites)

こんな論文どうですか? モルモット実験喘息モデルにおける遅発型反応と気道過敏性亢進に及ぼす WEB2086 の影響(有馬 雅史ほか),1991 http://t.co/STfl0Qkj

収集済み URL リスト