- 著者
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吉田 博一
清水 宏明
深美 悟
- 出版者
- 一般社団法人 日本アレルギー学会
- 雑誌
- アレルギー (ISSN:00214884)
- 巻号頁・発行日
- vol.45, no.1, pp.49-61, 1996
- 参考文献数
- 18
- 被引用文献数
-
8
花粉観測をもとに, 花粉飛散状況と症状の出現時期との関係, 症状経過との関係について詳細に検討した. 症状出現日と花粉数との関係を見ると, 累積発症率と累積花粉数の平方根との間には高い正の相関関係が認められた. また, 初観測日から飛散開始日までの期間が長いほど, 飛散開始日までの発症率が高いことがわかった. 症状経過と花粉数との関係では, 症状スコアと累積花粉数の平方根との間に正の相関関係が認められた. また, 症状の高度化に伴って, 鼻洗浄液中のECP・トリプターゼ値は上昇した. 連続鼻粘膜誘発試験では, 即時性反応は高度化し,それに伴って鼻洗浄液中のECP・トリプターゼ値は上昇した. また, 遅発性反応は, 陽性群と陰性群に2分されたが, 誘発の繰り返しによる反応の高度化は認められなかった. 以上より, ごく少量の花粉でも繰り返し暴露することにより症状が誘発され,花粉数の蓄積によって症状が増悪していくことが観察された.