著者
劉 雅文 楊 秋麗
出版者
立命館大学
雑誌
社会システム研究 (ISSN:13451901)
巻号頁・発行日
no.4, pp.99-105, 2002-03

非公有制経済関係者は,わが国社会主義初級段階における生産力の解放と発展の必要性に応じて,改革開放,社会主義市場経済発展のプロセスにおいて現れた一つの新しい社会グループである.2000年末に遼寧省全体の個人および私営企業は152.6万社,そのうち私営企業7.4万社,個人および私営企業の従業員数は省全体の労働人口の19.3%を占める.人員構成から見ると,このグループの発展初期に,就業者は主に農民や無職者であったが,近年,大勢の知識人,専門家,技術者,帰郷軍人,政府幹部および帰国留学生が参入してきた.就業動機から見ると,生存型,自由追求型,生活改善型,自己価値実現型が存在している.学歴から見ると,個人および私営企業経営者の学歴は年々高くなっている.年齢構成からみると,主に中年である.資産規模から見ると,20数年の発展を経て,個人経済の資本蓄積が早くなり,一定規模の経営も現れてきて,経済的実力が強くなった.以上の側面からわかるように,遼寧省の個人および私営企業経営者の出身,就業動機,学歴および年齢構成は大きく変化してきている.その資産規模は迅速に拡大しており,個人の資質も高くなりつつある.個人および私営企業経営者はほかの階層に比べて,最も裕福な階層であり,かつ改革の絶対的支持層に属するという二重の特徴を持っている.一定の政治参加意識を持ちながら,政策に対し敏感に反応している.筆者は決断能力,管理能力,人格,忍耐力についての調査を通じて,遼寧省の個人および私営企業経営者を高,中,低3つのレベルに分けた.個人および私営経済の発展につれ,一部の中低レベル経営者は中高レベルまで上昇することが期待されている.

言及状況

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中国の遼寧省の企業誘致政策について知りたい。

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