著者
木村 達明 関戸 信次
出版者
日本古生物学会
雑誌
日本古生物学會報告・紀事 新編 (ISSN:00310204)
巻号頁・発行日
no.84, pp.190-195, 1971-12-30

筆者らは1965年, 手取川支流目附谷川上流に露出する桑島砂岩・頁岩互層相当層から, 葉縁にいちじるしい棘のあるソテツ状葉標本2個を採集した。現生ソテツ類において, とくにいちじるしい棘のある属はEncephalartosであるとされているが, 全縁の種もあり, またStangeria, Bowenia, Zamia, MacrozamiaおよびMicrocycasなどにも棘または鋸歯のあるものが多く, 棘や鋸歯があるというだけで属を識別する根拠とはならない。しかし化石ソテツ状葉で棘や鋸歯のある例は少なく, 筆者らの標本は, 1962年, VAKHRAMEEVによってヤクーツク付近の下部白亜系から報告・記載されたNeozamites属に一致する。この属は沿海州やレナ川中流地域の下部白亜系から3種が知られているが, ここに記載する標本はそのどれとも一致しないので, Neozamites elongata sp. nov.として報告する。この属はシベリア植物群の主要要素とされている。

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こんな論文どうですか? 587. 手取層群, 石徹白亜層群(下部白亜紀)から葉縁に棘のあるソテツ状葉の発見(木村 達明ほか),1971 http://t.co/ncM7mZRHwz

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