著者
木村 達明 大花 民子 辻井 正則
出版者
PALAEONTOLOGICAL SOCIETY OF JAPAN
雑誌
日本古生物学會報告・紀事 新編 (ISSN:00310204)
巻号頁・発行日
vol.1988, no.151, pp.501-522, 1988-10-31 (Released:2010-05-25)
参考文献数
52

来馬層群から得られたつぎの分類群について記載を行った : Gleichenites? sp. A, Phlebopteris sp. A, Dictyophyllum kotakiense Kimura et Tsujii, Sphenopteris sp. H, Ptilophyllum shinadaniense Kimura et Tsujii, P. sp. cf. P. hsiangshanense Wu, P. sp. A, Pterophyllum? sp., Pseudoctenis nipponica Kimura et TsujiiおよびNilssonia sp. B, また西中山層から, Sphenopteris sp. G, Otozamites sp. CおよびPseudoctenis? sp.を追加記載した。日本のジュラ紀前期植物群は, 来馬型と西中山型に区別され, それらの間には共通する属種は発見されていない。私どもはユーラシア大陸で従来知られているジュラ紀前期植物群について詳細な検討を行い, それらは, 来馬型および西中山型のはか, シベリア型, 中央アジア型および, 南ヨーロッパ型の5類型に区別されることを明らかにした。
著者
森 達哉 木村 達明 池田 泰弘 上山 憲昭 川原 亮一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. CQ, コミュニケーションクオリティ (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.110, no.287, pp.5-10, 2010-11-11

本研究は分散コンピューティングシステムにおいてMapReduceによる大規模データ処理を実行した際にシステム全体に生じるワークロードをネットワークの観点から分析した結果を報告する.12台の計算機で構成されるHadoopクラスタを利用し,Masterサーバおよび各々のSlaveサーバで取得したMapReduce Jobのログ,およびSlaveサーバ間の通信をキャプチャしたデータを収集した.はじめにMapReduceジョブを構成する各々のタスクとネットワークに生じ得る負荷の関係をケーススタディによって明らかにする.つぎに,MapReduceに与えるパラメタによって,ノード間のデータ転送に用いられるTCPフローのサイズ,持続時間,レートの分布が変わることを示す.最後にMapReduceジョブによるネットワーク負荷を計測する際に注意すべき点について論じる.
著者
中西 晃 赤堀 侃司 野田 一郎 木村 達明 斉藤 耕二 藤原 喜悦
出版者
東京学芸大学
雑誌
一般研究(B)
巻号頁・発行日
1985

1.帰国子女の文化的アイデンティティの形成に関する調査研究現在は社会人として活躍しているかっての帰国子女が, 自分の青少年時代の異文化体験をどう評価し, それが現在の個人の人格形成にどのような関わりがあるかを調査研究した.(1)研究の手法 青少年時代に海外で生活し, 現在は社会に出ている異文化体験者に対し, 質問紙法及びインタビューによって調査を行った. 質問紙法では同年代の未異文化体験者を統制群とし, 比較検討を行った. (2)研究の成果 (1)職業, (2)余暇, (3)友人, (4)職場, (5)父母, (6)結婚, (7)人生観・人格, (8)異文化体験の影響の8項目にわたっての調査を統計的に分析した結果, 当初想定していた程ではなかったものの, 異文化体験群と統制群とではそれぞれの項目について有意な差が検出された. 面接法によっての調査からも, 個人の人格形成にとっては異文化体験はその成長を促すものであり, プラスの関与があったことが伺えた.2.帰国子女の国際感覚に関する意識の調査研究帰国子女の国際感覚が一般生とどのように異なるかを対比することによって, 帰国子女の国際感覚の特質を明らかにする調査研究を行った.(1)研究の手法 帰国子女のうち, 中・高校生を対象に質問紙法による調査を行った. 同年齢の一般の生徒を統制群として比較検討した.(2)研究の成果 (1)日本の印象, (2)外国語, (3)差別, 偏見, (4)生活習慣, (5)個性, (6)将来・進路の5つの内容について統計分析の結果, 帰国生と一般生の間には各内容に有意差が見られた. 帰国生には外国語・差別偏見に対する意識, 海外での進学・就職志向に顕著な特徴が見られた. また, 帰国前の日本の印象, 生活習慣の変容, 周囲に合わせる傾向から, 帰国生の日本への適応の様子の一端を窺うこともできた.
著者
木村 達明 金 鳳均
出版者
日本古生物学会
雑誌
日本古生物学會報告・紀事 新編 (ISSN:00310204)
巻号頁・発行日
no.155, pp.141-158, 1989-09-30
被引用文献数
1

韓半島の大同, 金浦, 漣川, 忠南, 聞慶および丹陽炭田地域に露出する非海成の大同累層群の植物化石は, かつて矢部長克, 川崎繁太郎, 大石三郎, 小畠信夫らによって研究されたが, 1945年以来その研究は途絶えていた。筆者らは1973年以来, この地域の炭田の開発にともない, おもに忠南および聞慶炭田地域の新産地から多くの植物化石を入手することに成功し, 現在までに, 38属79種を識別し, またこれらの中には, 従来知られていなかった分類群, 1新属および10新種を加え20属33種を含む。本論文は以上の新種を含むこの植物群の特徴種14属19種を記載した。大同累層群の植物群の時代は, かつて, ジュラ紀初〜中期と考えられたが, 少なくとも金浦, 忠南, 聞慶炭田地域から得られた化石植物群集に関する限り, その組成は, 日本, 沿海州南部および中国東北の東南部, および中国南部の三畳紀後期植物群と完全に一致し, これら地域のジュラ紀初〜中期植物群とは著しく異なる。
著者
木村 達明 関戸 信次
出版者
日本古生物学会
雑誌
日本古生物学會報告・紀事 新編 (ISSN:00310204)
巻号頁・発行日
no.84, pp.190-195, 1971-12-30

筆者らは1965年, 手取川支流目附谷川上流に露出する桑島砂岩・頁岩互層相当層から, 葉縁にいちじるしい棘のあるソテツ状葉標本2個を採集した。現生ソテツ類において, とくにいちじるしい棘のある属はEncephalartosであるとされているが, 全縁の種もあり, またStangeria, Bowenia, Zamia, MacrozamiaおよびMicrocycasなどにも棘または鋸歯のあるものが多く, 棘や鋸歯があるというだけで属を識別する根拠とはならない。しかし化石ソテツ状葉で棘や鋸歯のある例は少なく, 筆者らの標本は, 1962年, VAKHRAMEEVによってヤクーツク付近の下部白亜系から報告・記載されたNeozamites属に一致する。この属は沿海州やレナ川中流地域の下部白亜系から3種が知られているが, ここに記載する標本はそのどれとも一致しないので, Neozamites elongata sp. nov.として報告する。この属はシベリア植物群の主要要素とされている。