著者
氏家 宏 市倉 賢樹
出版者
日本古生物学会
雑誌
日本古生物学會報告・紀事 新編 (ISSN:00310204)
巻号頁・発行日
no.91, pp.137-"150-1", 1973-09-20

日本海より得た約40本のピストン・コアのうち25本の予察的検討をおこない, 炭酸石灰補償深度が非常に浅いことを知り, 日本海特有の溶存酸素に富む冷水塊に帰因すると推察する。いっぽう, 同深度より浅い鳥取市沖水域より得たコア(V28-265)は, 920cmに及ぶ全長にかけて, ほぼくまなく浮遊性有孔虫を産出する。卓越する"Globigerina" pachydermaのcoiling ratioから, コア頂部より約120cmのところに完新世・更新世境界(約11, 000年前)を認め, それを境にして古水温の上昇, 還元的条件から酸化的条件へなどの古環境の急変があることを示唆する。もう一つの優勢種であるGlobigerina umbilicataは, ほぼ同コア更新統のみに限られ, 中・高緯度地方の上部鮮新統ないし更新統の示準種となるかもしれない。ただし, V28-265は, Riss-Wurm間氷期には達していないらしい。

言及状況

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こんな論文どうですか? 622. 山陰沖産ピストン・コア中の完新統一最上部更新統浮遊性有孔虫(氏家 宏ほか),1973 http://t.co/2Mt0LjpBnt

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