- 著者
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平野 弘道
佐野 弘好
- 出版者
- 日本古生物学会
- 雑誌
- 日本古生物学會報告・紀事 新編 (ISSN:00310204)
- 巻号頁・発行日
- vol.1977, no.106, pp.100-105, 1977
熊本県八代郡東陽村美生からは, かって赤津健によりアンモナイト3個が採集され, 松本達郎により当地域に中部ジュラ系の存在することが示唆されていた。最近, 佐野は当該地域の調査を行い, 問題とされていた地層の分布範囲と層序を明らかにした。また新たにベレムナイト1個が得られた。これの化石はいずれも断片的ではあるが, 検討の結果アンモナイトの1個はCadomites sp., 他の1個はPlanisphinctes? sp.と鑑定された。ベレムナイトはジェレツキー博士の鑑定によりParahastites ? sp.といえる。以上の三者の共通の生存期間は中期ジュラ紀であり, 調査された地層の主部は中部ジュラ系を含むと考えられる。得られた化石の保存はよくないが, 化石産出層の岩相及び構造上の位置をあわせ考えると地史考察上貴重な資料となるので, 図示し記載した。