- 著者
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宝珍輝尚
- 出版者
- 一般社団法人情報処理学会
- 雑誌
- 情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
- 巻号頁・発行日
- vol.35, no.3, pp.444-452, 1994-03-15
- 被引用文献数
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3
データがグラフ(データ表現グラフ)で表現されているデータベースに対する統合演算を提案する。提案する統合演算は、2つのデータ表現グラフをマージする集合橿向の演算である。本演算は、あらかじめすべてのデータを1連結グラフで表現しにくい場合に、とりあえずn個の連結グラフとしてデータを格納し、検索時に動的に点を統合して操作する場合や、既存の点をマージしてあらかじめ設定された構造と異なる構造のグラフとしてデータを操作する場合に有効である、本論文では、まず、前提とするグラフに基づくデータモデル、ならびに、問い合せ方式について述べる。次に、従来提案されているグラフに対する集合指向の演算について述ぺ、これらの演算ではアドホックに2つのデータ表現グラフをマージしようとすると手続き的になり使用に耐えないという間題点を示す。そして、この問題点を解決する統合演算を提案する。統合演算として、データ表現グラフの要素の一意性に墓づく関係続合、制約統合、外統合を提案し、要素の値に墓づいて統合を行うための複写指定と融合指定を提案する。最後に、提案した演算の宣言性を評価し、アドホック問合わせにおいて有効であることを示す。