著者
和気 早苗 加藤 博一 才脇 直樹 井口 征士
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.35, no.7, pp.1469-1481, 1994-07-15
被引用文献数
23

人間と機械による合奏において、人間の即興演奏に合わせて出力が適宜変化する、協調型自動演奏システム"JASPER"(Jam Session Partner)について述ぺる。本研究では合奏での人間・機械間のコミュニケーションを実現するために、計算機内に<聴く→感じる・考える→演奏する>という人間の即興演奏過程を模倣した演奏家モデルを構築した。また、テンション・パラメータという感覚量を定義し、それを用いることで、演奏に現れる感性情報を抽出し処理することを試みた。システムヘの入カはMIDI楽器からの即興演奏である。その演奏から人間の演奏者のテンション値を計算する。これは人間の演奏における緊張感を表すものである。演奏者のテンション値を考慮し、システムの持つさまざまなルールによってシステムのテンション値が計算される。出力はドラムとべ一スの演奏であり、システムのテンション値に適合するパターンが複数の侯補より選択される。実際こシステムとの合奏を行った演奏者からは'とても楽しく演奏できる''計算機が自分の演奏に応答することは非常に興昧深い'といった評価が得られた。本研究は演奏に含まれる感性惰報を計算機で扱おうとする試みの一つである。合奏という形でのコミュニケーションを研究しシステムを構築することで、人間・機械間における協調作業、そして感性情報を合むコミュニケーションの可能性を見いだすことができた。

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こんな論文どうですか? テンション・パラメータを用いた協調型自動演奏システム:JASPER(和気 早苗ほか),1994 https://t.co/4bU4qKL6l5

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