著者
白鳥 嘉勇
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.35, no.10, pp.2180-2188, 1994-10-15
被引用文献数
4

左右対称形キーボードの打鍵特性を明らかにするため、形状が異なる3種の左右勉称形キーボードと現用形キーボードをキーピッチ、キーサイズおよびキー種を同一にして試作した。キーボード形状の効果を明らかにするため、上記4種のキーボードについて打鍵位置指示後の単打鍵実験を行った(被験者10名)。各キーの平均入カ時間およびエラー率を多変量解析により分析した結果、現用形キーボードに比ぺ、いずれも平均キー入力時間は約10%、平均エラー率は約40%低く、形状効果があることが分かった。次に連続打鍵特性について、現用形キーボード操作者(英文タイビスト9名)が3種の左右対称形キーボードを用いて同一英文の繰返し入カ実験を行った。この結果、4蒔間後に現用形キーボードの操作レベルと同等以上に達し、短期間に左右対称形キーボードに習熟できることが分かった。また、高遠打鍵特性について、英文タイビスト4名(現用形キーボードの入力速度:410ストローク/分)が同一種の左右魅称形キーボードを用いて毎回異なる英文入力実験を行った。この緒果、32時間後には、平均キー入力時間は最高117msec(515ストローク/分)の高いレベルに達した。また、各キーの入力時間は左右手および指間でバランスしており形状効果が認められた。以上の結果、左右対称形キーボードは、打鍵特性を向上する形状効果を有し、習熟しやすく、高速打鍵が可能であることが分かった。

言及状況

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「現用形キーボード,19世紀末の機械式レバースイッチの構造を基本2).この形状は,直線状の互いに平行な4段のキー段が,最上段から上段,ホーム段,下段へと,1/2,1/4,1/2ピッチ(1ピッチ:19.05mm)ずつ右に偏位し,かつ各キーが隣接」

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