著者
大里延康 竹内 郁雄
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.30, no.5, pp.596-604, 1989-05-15
被引用文献数
1

複合プログラミング・パラダイム言語TAOにおけるオブジェクト指向プログラミングの言語仕様とその評価について述べる.TAOは専用の記号処理計算機ELISのマイクロプログラミングを用い そのハードウェアによる支授を背景として 人工知能研究におけるプログラミングを強力に支援する高性能のプログラミング環境を提供することを目指している。特に 扱う問題に適したプログラミング・パラダイムをユーザが自由に選択できるようにすることを設計思想のひとつの柱として Lispをベースに 論理型プログラミング オブジェクト指向など さまざまなプログラミング・パラダイムを 言語の核の部分で融合させている.本論文では TAOの複合プログラミング・パラダイムの中で オブジェクト指向に関する部分の言語仕様を紹介し その実現技法を詳しく論ずる.また その速度性能の評価を行う.TAOのオブジェクト指向は インタプリタにおいてLispのみで書いたプログラムの性能に比べて遜色がなく 十分な実用性を持つことを示す.また 実際の応用プログラムの分析にもとづいて TAOオブジェクト指向の実現技法の妥当性についても考察を加える.

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