- 著者
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田中 厚子
広田 光一
金子 豊久
- 出版者
- 一般社団法人情報処理学会
- 雑誌
- 情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
- 巻号頁・発行日
- vol.40, no.7, pp.2978-2987, 1999-07-15
- 被引用文献数
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本研究では 仮想物体の切断操作における反力を実時間で表現するための計算方法について提案する.計算の中では切断操作にともない物体が微小に変形することが仮定され したがって 操作者が持つ刃物の実際の刃先位置に加えて 物体の変形が解除されたときにこれが物体の上でどこに相当するかという非変形時の刃先位置が定義される.両者の相対変位とその点における変形の柔らかさとから 刃先より物体に作用する力を近似的に求め これに基づいて刃先を移動することで切断の進行を表現する.この中では 刃先に作用する力として粘性抵抗 摩擦力 切断抵抗の3種類についてモデル化を行い これらを操作反力として操作者にフィードバックする.刃先を離散点に分割することで分布力を求める.また 変形の柔らかさを定数または計算の容易な関数として与えることで 実時間での力の表現を可能とする.これを仮想空間に実装することで 切りやすさの異なる物体の表現が可能であることを確認した.また この環境を利用した作業実験を行い 切断操作における力覚情報の提示が作業効率に寄与する1つの例を示した.さらに 変形が大きい場合の処理として 非変形時の刃先と実際の刃先を一致するように物体を視覚的に変形する方法を提案し 切断中の変形表現を実現した.In this paper, a method of calculating force during cutting operation is discussed. To calculate the distribution of force on the cutting edge, we defined the cutting edge as a set of discrete points that represent the infinitesimal part of the cutting edge. We proposed a method of representing forces caused by viscosity, friction, and cutting resistance based on this discrete-edge model. We developed a virtual environment with force feedback and implemented the proposed method in the environment. As an example of cutting tasks where the sensation of force is effectively used, we simulated a 'core extracting' operation and confirmed that the task is more efficiently performed with force sensation.