- 著者
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所 洋一
- 出版者
- 一般社団法人情報処理学会
- 雑誌
- 情報処理 (ISSN:04478053)
- 巻号頁・発行日
- vol.45, no.8, pp.862-866, 2004-08-15
- 参考文献数
- 3
2000年12月からBSデジタル放送が始まり,3年後の2003年12月1日からは東京・大阪・名古屋で地上デジタル放送が開始された.デジタル放送の特徴は,ハイビジョンによる高画質放送,5.1サラウンドなどによる高音質放送がある.さらに,アナログ放送にはなかったまったく新しいマルチメディアサービスである,データ放送も大きな特徴の1つである.データ放送では,ニュース,気象情報,スポーツ情報をリアルタイムで提供するサービスや,受信機に装備されている通信機能を利用した,クイズ参加,リクエストなどにテレビから直接参加できる双方向サービスなどを視聴者へ提供することが可能となった.デジタル放送における,データ放送コンテンツのマルチメディア符号化方式は,BML(Brodacast Markup Language)と呼ばれる記述言語が採用されている.BMLは,ARIBで開発された,XMLベースのマルチメディア符号化方式で,BMLのタグの基本セットは,XMLに基づきhtmlの仕様を記述しなおした,XHTML規格のタグセットが採用されている.モノメディアと呼ばれる,情報を表現する文字,図形,静止画,映像,音声などの個々のメディアのレイアウトを記述するためには,CSS(Cascading Style Sheets)規格が採用されている.また,リモコン操作などにより,表示を切り替えるといった動的な制御を行うためのスクリプト言語として,ECMA Script規格が取り入れられている.ECMA Scriptで記述されたスクリプトから,文字やレイアウトのパラメータへのアクセスには,DOM(Document Object Model)規格が採用されている.BMLは,これらの規格に対して,放送として求められる要件を実現するための拡張仕様を付加した規格になっている.さらに,規定された規格の中で実際の放送において利用できるものを定義した運用規定が,別途,「BS/広帯域CSデジタル放送運用規定」,「地上デジタルテレビジョン放送運用規定」において定義されている.