著者
星 永進 青山 克彦 村井 克己 池谷 朋彦 金沢 実 杉田 裕 高柳 昇 生方 幹夫 倉島 一喜 松島 秀和 佐藤 長人
出版者
特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会
雑誌
気管支学 (ISSN:02872137)
巻号頁・発行日
vol.24, no.5, pp.391-393, 2002
被引用文献数
2

目的.良性気道狭窄病変に対する気管・気管支形成術の成績について検討する.方法.過去11年間に当センターで手術を施行した良性気道狭窄8例を対象として,外科治療成績について検討した.自覚症状を有し,気管支鏡所見でpinhole状の狭窄あるいは閉塞を示す場合に手術適応とした.性別は女性7例,男性1例.年齢は23歳から58歳(平均40歳)であった.原因疾患別では結核性4例,necrotizing sarcoid granulomatosis(NSG)1例,気管内挿管後3例,病変部位は結核性では左主気管支3例,左上幹1例.NSGでは右主気管支ならびに中間気管支幹1例.挿管後では頸部気管3例.手術アプローチは結核性とNSGは側方開胸,.挿管後では頸部襟状切開.術式は結核性では左上葉管状切除1例,左上幹管状切除1例,左主気管支管状切除2例.NSGは右中下葉管状切除,挿管後では気管管状切除3例.吻合は吸収性モノフィラメント糸を用いて端々吻合した.手術時間は結核性は244〜328分(平均288分),NSG252分,挿管後97〜150分(平均124分).術中出血量は結核性150〜833ml(平均416ml),NSG385ml,挿管後40〜200ml(平均97ml).結果.吻合部狭窄,縫合不全などの術後合併症を認めなかった.狭窄病変の再発はなく,全例元気に社会復帰している.結論.良性気道狭窄病変に対する気管・気管支形成術は,安全で有用な術式である.

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