著者
橘 啓盛 池谷 朋彦 高橋 伸政 村井 克己 青山 克彦 星 永進
出版者
特定非営利活動法人 日本呼吸器外科学会
雑誌
日本呼吸器外科学会雑誌 (ISSN:09190945)
巻号頁・発行日
vol.20, no.5, pp.790-794, 2006-07-15 (Released:2008-03-11)
参考文献数
17
被引用文献数
1

症例は38歳女性.月経に一致した左気胸を発症し当センターを紹介された.月経22日後に行った胸腔鏡下手術にて,肺瘻の部位や気腫性嚢胞は確認できなかったが,左胸腔内の臓側,壁側胸膜にびまん性に多発する褐色の結節を認めた.病理学的に臓側,壁側胸膜ともに子宮内膜組織を認め,月経随伴性気胸と診断した.術後第3病日に月経が開始し右気胸を併発したが胸腔ドレナージにより改善した.後にホルモン療法を施行し,術後1年の経過では気胸の再発を認めていない.本症例は月経直前に手術を施行したため脱落する前の病変が観察されたと考えられた.発症機序は腹腔からの子宮内膜組織の侵入と臓側胸膜病変の脱落による気胸発症と推測された.壁側胸膜に子宮内膜組織を認めることはまれであり,月経随伴性気胸の発症機序を考えるうえで,本症例は興味深く貴重な症例と思われた.
著者
川井 廉之 星 永進 高橋 伸政 池谷 朋彦 村井 克己
出版者
Japan Surgical Association
雑誌
日本臨床外科学会雑誌 (ISSN:13452843)
巻号頁・発行日
vol.72, no.8, pp.1978-1981, 2011

症例は30歳,男性.前医にて緊張性気胸に対する胸腔ドレナージ後に血胸を呈し,医原性の血胸が疑われ当センターへ緊急搬送された.胸部X線写真にて右胸腔に大量胸水貯留を認め,ドレーンからの出血が続いていたため,血気胸の診断で胸腔鏡下緊急止血術を施行した.出血は肺尖部対側の胸壁の断裂した血管からであり,自然血気胸と診断した.術後,再膨張性肺水腫を発症したが,その後の経過は良好で,術後第7病日に軽快退院となった.自然血気胸の中には本例のように初回胸部X線写真で胸水貯留が認められない症例があり,早期の診断と治療のためには,ドレナージ後の注意深い経過観察が重要である.
著者
橋本 賢治 村井 克己
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EID, 電子ディスプレイ
巻号頁・発行日
vol.95, no.114, pp.31-36, 1995-06-22

近年、計算機の情報入力デバイスとしてCCDが注目されている。カメラやスキャナーから画素単位で取り込まれる情報は加工や蓄積などの処理に適しておらず、応用が限られたものになっている。これに対して図形の表現では、スプライン曲線と呼ばれる区分的多項式で表現される自由曲線が様々な局面で利用されるようになってきており、図形の情報を簡潔に表現できる。本稿では、カメラ画像から得た図形の輪郭線への曲線の自動あてはめについて、円錐曲線による中心点統合手法と多項式2次スプライン曲線を人の視覚解像度を誤差基準としたあてはめ手法について検討し、比較的良好な結果を得ることができた。
著者
橋本 賢治 村井 克己
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
テレビジョン学会技術報告 (ISSN:03864227)
巻号頁・発行日
vol.19, no.31, pp.31-36, 1995-06-22

近年、計算機の情報入力デバイスとしてCCDが注目されている。カメラやスキャナーから画素単位で取り込まれる情報は加工や蓄積などの処理に適しておらず、応用が限られたものになっている。これに対して図形の表現では、スプライン曲線と呼ばれる区分的多項式で表現される自由曲線が様々な局面で利用されるようになってきており、図形の情報を簡潔に表現できる。本稿では、カメラ画像から得た図形の輪郭線への曲線の自動あてはめについて、円錐曲線による中心点統合手法と多項式2次スプライン曲線を人の視覚解像度を誤差基準としたあてはめ手法について検討し、比較的良好な結果を得ることができた。
著者
星 永進 青山 克彦 村井 克己 池谷 朋彦 金沢 実 杉田 裕 高柳 昇 生方 幹夫 倉島 一喜 松島 秀和 佐藤 長人
出版者
特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会
雑誌
気管支学 (ISSN:02872137)
巻号頁・発行日
vol.24, no.5, pp.391-393, 2002
被引用文献数
2

目的.良性気道狭窄病変に対する気管・気管支形成術の成績について検討する.方法.過去11年間に当センターで手術を施行した良性気道狭窄8例を対象として,外科治療成績について検討した.自覚症状を有し,気管支鏡所見でpinhole状の狭窄あるいは閉塞を示す場合に手術適応とした.性別は女性7例,男性1例.年齢は23歳から58歳(平均40歳)であった.原因疾患別では結核性4例,necrotizing sarcoid granulomatosis(NSG)1例,気管内挿管後3例,病変部位は結核性では左主気管支3例,左上幹1例.NSGでは右主気管支ならびに中間気管支幹1例.挿管後では頸部気管3例.手術アプローチは結核性とNSGは側方開胸,.挿管後では頸部襟状切開.術式は結核性では左上葉管状切除1例,左上幹管状切除1例,左主気管支管状切除2例.NSGは右中下葉管状切除,挿管後では気管管状切除3例.吻合は吸収性モノフィラメント糸を用いて端々吻合した.手術時間は結核性は244〜328分(平均288分),NSG252分,挿管後97〜150分(平均124分).術中出血量は結核性150〜833ml(平均416ml),NSG385ml,挿管後40〜200ml(平均97ml).結果.吻合部狭窄,縫合不全などの術後合併症を認めなかった.狭窄病変の再発はなく,全例元気に社会復帰している.結論.良性気道狭窄病変に対する気管・気管支形成術は,安全で有用な術式である.