- 著者
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水本 晋
- 出版者
- 一般社団法人日本森林学会
- 雑誌
- 日本林學會誌 (ISSN:0021485X)
- 巻号頁・発行日
- vol.38, no.11, pp.437-439, 1956-11-25
コゲイロカイガラタケ, ヒロハノキカイガラタケ, キチリメンタケ及びキカイガラタケの侵害を受けて木材が腐朽する場合に, 温度によつて如何なる影響を受けるかを知らんとし, アカマツ, ツガ及びモミの材片を用いて実験を試みた結果, コゲイロカイガラタケでは28℃, ヒロハノカイガラタケ, キチリメンタケ及びキカイガラタケでは何れも32℃で腐朽の最大値を示した。菌糸の発育に対する適温はコゲイロカイガラタケが26°〜28℃, ヒロハノキカイガラタケ外2菌が32°〜34℃であつたところからして, これら4種の菌では腐朽に対する適温と菌糸の発育に対する適温とがほぼ一致するものと見なされた。