著者
浅川 澄彦
出版者
一般社団法人日本森林学会
雑誌
日本林學會誌 (ISSN:0021485X)
巻号頁・発行日
vol.38, no.4, pp.125-129, 1956-04-25

クミアワセ層積法によつて チヨウセンマツのタネの発芽をいちじるしく促進することができたが, このキキメの1つはタネの吸水力をおおきくすることであるようにおもわれた。おなじ五葉松の2,3の種のタネについて, 発芽遅延が種皮の性質と関係があることが報告されていたので, この点をたしかめるために チヨウセンマツのタネの吸水経過をしらべた。このタネの吸水経過は クロマツやアカマツなどとおなじように3段階にわけられる。すなわち(1)発芽床においてから2,3日間の急にオモサがふえる時期, (2)ゆつくりふえるか またはほとんどかわらない時期, および(3)ふたたび急にふえる時期である。たいていのタネは(2)の段階にかなりながいあいだとどまつているが, 適当な前処理をおこなえば(3)の段階にはやくうつることができる。(3)でのオモサの増加は(1)での増加にほとんどひとしい。外種皮をとりのぞくと, たいていのタネはおよそ2週間で発芽しおわるが, 内種皮ものぞけばもつとはやく発芽させることができる。種皮をのぞいたときすぐ発芽するタネの胚は 休眠していないとおもわれ, こういうタネが(2)から(3)にうつれない原因は おもに外種皮にあるものとおもわれる。

言及状況

Twitter (1 users, 1 posts, 0 favorites)

こんな論文どうですか? チヨウセンマツのタネの吸水経過(浅川 澄彦),1956 http://id.CiNii.jp/L2jFL クミアワセ層積法によつて チ…

収集済み URL リスト