- 著者
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橋詰 隼人
- 出版者
- 一般社団法人日本森林学会
- 雑誌
- 日本林學會誌 (ISSN:0021485X)
- 巻号頁・発行日
- vol.44, no.11, pp.312-319, 1962-11-25
- 被引用文献数
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1) 雄花芽は新条の先端部の葉腋に形成されたが, 雌花芽は新条の頂芽に分化した。2) 自然状態における雄花芽の分化期は6月下旬〜9月下旬であった。花芽分化後, 雄花芽は急速に生長して, 短期間で雄しべおよび造胞組織の分化が認められた。そして, 9月中旬〜11月上旬の期間に花粉が形成された。3) 自然状態における雌花芽の分化期は7月中旬〜9月中旬であった。雌花芽では, 花芽分化後短期間で苞鱗の分化が認められ、8月上旬〜10月中旬の期間に胚珠が形成された。胚珠はその後珠皮と珠心に分化した。10月下旬にはすべての雌花で珠皮と珠心の完全に分化した胚珠が認められた。開花期は2月下旬〜3月下旬であった。4) 雌花芽の分化開始期は雄花芽よりも2〜3週間おそかった。また分化期間は雄花芽よりもみじかい傾向がみられた。5) 同一新条における花芽分化あるいは同一花芽における花部器官の分化は求頂的に進行した。6) 花芽分化期および花芽の発育経過には, 年により10〜20日の早晩がみられるようである。7) ジベレリン処理の場合は処理後約30日で花芽分化が開始された。ジベレリン処理によっておこる花芽分化の期間は自然分化に比して約2ヵ月ながいようであった。9月までの処理区では胚珠および花粉は年内に形成され, 開花期は自然分化に比して著しく相違しなかった。しかし, 10月処理区では花芽の発育が抑制され, 花粉は翌春形成された。したがって, 開花期は15〜20日おくれるようである。