著者
小玉 健吉
出版者
日本醗酵工学会(大阪大学工学部内)
雑誌
醗酵工学雑誌 (ISSN:03675963)
巻号頁・発行日
vol.53, no.8, pp.p626-630, 1975-08
被引用文献数
1

本邦産の広葉樹の樹液酵母を検索中, シラカシおよびヤナギの樹液からそれぞれ分離された菌株はPichia属の既知の菌種に該当するものがなく, 相互に近縁のものであることが認められた. すなわちシラカシから分離されたLKB-330株はPichia stipitis Pignalに比較的類似するがガラクトーズおよびリボースを資化せず, 37℃に発育しないが50%ブドー糖添加酵母エキス寒天培地に発育するなど異なる点が多い. 更にそのGC含量はP. stipitis. のそれより2.7%低いことが認められた. よって著者は本菌株をPichia属の一新種と見なしPichia Nakazawae Kodamaと命名した. またヤナギから分離されたLKB-335株は上述の新種と類似するがラムノースを資化せず, ガラクトースの醗酵性を欠くが微弱であるがリボースを資化し, 麦芽汁寒天培地上著しく固着性の皺のある菌苔を形成する点が異なる. よって本菌種を上述の新種の一新変種と見なしPichia nakazawae var. akitaensis Kodamaと命名した.

言及状況

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