- 著者
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北村 博
- 雑誌
- 全国大会講演論文集
- 巻号頁・発行日
- vol.37, pp.970-971, 1988-09-12
- 被引用文献数
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我々が開発している日英機械翻訳SYSTEM:JETSにつき、ここではTRANSFERの処理のなかで、従来統一的な処理が困難とされてきた連体修飾句の訳し分けにつき発表する。JETSのTRANSFER処理の内容は全体として、概念的に言えば、他のSYSTEM(例えば[2])とそれほど根本的、本質的差異があるとは考えてはいない。たいていの語に対しては、トップダウンに再帰的に辞書引きをして、意味コード、その語の使用されている条件から訳語を選択し、必要な構造変換を行う。そういう一般的な方法で対処が困難な特別の語(例えば、MODALITYを持っ名詞)に対しては、PRE-TRANSFERで構造変換を行う。ここまでは、ほとんど同じと思われる。(勿論、具体的な、個別の処理は他SYSTEMと全然異なっている。)JETSのTRANSFERの特色はPOST-TRANSFERがない、不要である点にある。英語生成に大きい機能を持たせ、TRANSFERの出力は英語意味構文木に止めたデザインである。これにより、統一的な処理が可能になった典型的な例として、連体修飾句の処理がある。