- 著者
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友納 正裕
- 雑誌
- 全国大会講演論文集
- 巻号頁・発行日
- vol.38, pp.434-435, 1989-03-15
計画作成においては、動作の順序関係や[Allen83]の時間述語で記述されるような定性的な時間関係だけでなく、「何時までに・・・をして」というような具体的な時刻や時間を考慮した定量的な時間関係がしばしば問題になる。たとえば、次のような例題を考えてみる。「東京から大阪まで出かける。午後1時まで東京で用事があり、午後3時までに大阪に到着したい。」ここで、交通機関として新幹線、飛行機、自動車などが考えられる。移動時間は、新幹線で3時間、飛行機で1時間とする。自動車は速度を調節でき、移動時間が可変のため、最高速度を200Km/時として与えておく。東京一大阪間の距離は500Kmとする。このような条件においては、飛行機以外の交通機関では午後3時に大阪に到着できないので、飛行機を使用すべきであり、また、遅くとも午後2時には東京を出発すべきことがわかる。このようなことは[A11en83]にあるような定性的な時間関係だけから導くことはできない。このような定量的な情報は、状況の理解にも有用である。この例題では、飛行機を使ったことが推測できるし、仮に、新幹線を使って計画通りに行なったという発言があれば、それが虚偽であることがわかる。本稿では、上記のような定量的な値を考慮した時間推論を支援するシステムについて論ずる。