著者
小川 泰嗣 喜連川 優
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.39, pp.1110-1111, 1989-10-16

本論文では、スーパーデータベースコンピュータ(SDC)における結合演算の並列実行法を検討する。SDCは複数のCPUが密結合した処理モジュールを相互結合網により疎結合したハイブリッドアーキテクチャを採用した並列ベータベースマシンである。相互結合網には図1のようなオメガネットワークを用いる。また、各リレーションは水平分割され複数の処理モジュールのディスクに格納される。関係データベースの処理のなかで負荷の重い結合演算に対してハッシュを用いたアルゴリズムが有効であることが知られている。ハッシュ結合演算法では、バケットを処理するモジュールを静的に割り当て、バケットをそのバケットに割り当てられたモジュールに集中して格納すること(バケット集中方式)で簡単に並列処理が実現できる。しかし、データ分布が不均一な場合に各処理モジュールの処理負荷も不均一となるため処理の並列度が低下し、データ分布が均一な場合程の性能が期待できない。これに対し、本論文で提案するバケット分散方式では、各バケットを処理モジュールに分散格納し、各バケットを処理モジュールをデータ分布に基づいて動的に割り当てる。そのためデータ分布が不均一な場合でも各処理モジュールの負荷を等しくするように調整することができ、効率的処理が実現される。以下、2章で従来からの方式であるバケット集中方式の問題点を指摘し、3章でバケット分散方式を提案する。4章でシミュレーションによる性能予測の結果を示し、5章で全体をまとめる。

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@frsyuki skew handingはparallel hash joinでかなり議論されました。 http://t.co/AErNLKKB のバケット分散によるバケット平坦化かomega networkのようにinterconnectレベルで平坦化がよく実装されています

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