- 著者
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藤長 昌彦
加藤 聰彦
鈴木 健二
- 雑誌
- 全国大会講演論文集
- 巻号頁・発行日
- vol.47, pp.221-222, 1993-09-27
- 被引用文献数
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3
分散処理技術の進展と普及に伴い、ISOとITU-TではODP(Open Distributed Processing:開放型分散処理)の標準化を行なっており、現在、分散システムのモデル化のための枠組みを規定したODP基本参照モデルの検討を進めている。分散システムでは、多数の構成要素が相互に協調して動作し、全体としてひとつの処理を実現する。このため、機能分散や負荷分散による柔軟なシステム構築が可能となる反面、計算機資源の分散や分散されたデータ間の整合性等に配慮しなければならない。ODP基本参照モデルでは、このような分散システムの複雑さに対処するために、エンタプライズ、情報、コンビュテーショナル、エンジニアリング、テクノロジの五つのビューボイントを導入している。ODPビューボイントは、分散システムを異なる側面からモデル化する手段を提供するため、分散システムの設計に対して有効に適用できると考えられる。これまでに一部のビューボイントを分散システムの設計に適用する試みが報告されているが、分散システム全体を設計するための体系的手法については充分には議論されていない。本稿では、ODPの五つのビューボイントから分散システムをとらえ、その仕様を明確化することにより、分散システムを設計する方法について検討する。