著者
横田 誠 薦田 幸一
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.42, pp.327-328, 1991-02-25

近頃,主に物理系で問題化している人間原理に関して,伝送工学の立場で考えて行こうしている。今回の絵画パタン等は,楽曲パタンと同様に,確かに物理的線路空間の問題あって,これ等のパタンの形成と認識は従来,主に人間にのみよってなされて来た。これ等性の問題に対して,部分的ながら人間に代行する人工のステム回路を考える事態に立ち至ている。ここで基本的イデアとしは,人間あるいは,そのモデル回路が物理的パタンを産出、形成し、且それ等を認識するということが,そのモデル回路とそれに対時する物理的タンが共通の因子を内蔵するということが基にあるということをとる。このような観点から、従来のTEMにおける伝送工学の基本的イデア対であ「線路」「回路」を生物系,人文系とも学際的に整合とる必要から、伝子工学として一般化,特に今回は人間の情報的パーフォーマンスの基本として,絵画環境の形成と認知に関する「線路」「回路」について考えてみた。線路系には電話線のような「沿線」系と,アンテナとしての「射線」系があり,楽曲パンは「沿線」系であり、今回の絵画パタンは「射線」系である。TEM系の線路系の基礎,単相伝送の線路長l=λ/4の,いわゆるue(:unit element)であり,その系はueの分布措置集合である。この分布電気通信大学措置集合は、一般に相互直交関係にある「沿線」系である衡伝送(b)系と,「射線」系である不平衡伝送(u)系との混在系である,これから絵的に放射され,これが人間の外皮系(ここでは視覚系の一次入力端子としてのンテナ系としての眼球系)を通して,中皮覚系を経由して,内皮(大脳皮質系)に至り,絵画的認謝され、絵画的創作等のバーフォーマンスに結びついてゆく。ー方,このような感受系の(部分的ながら)人工回路系を考えゆく為に,これと共通内蔵の因子としての入力系,この場合の絵画的線路系を,味覚的素子としての分類の必要が出てくる。赤,青等を,白絵画的原子として,これ等が絵画的分子的に画面に分布配置され,絵画的(意)味を供するとして,どのような分子構造が,それに相当するかを考える。ここで絵画系の源系系と元型系を考える。今回の「モンドリアン系」は人類の絵画史上,西欧的ルネッサンスの延長上、近世日本美術の抽象化の影響下の印象派のある種の帰結と考えられる。これは源系系的見地であるが,もう一方の,元型系としては幾何学的と心理学的方向が考えられる。幾何学的としては、ノンメトリックとメトリックが考えられる。形成された絵画パタンは色彩面素のワク内分布系であるが,これに取り組むのに2通りあって,1つは全体を2分割することから複雑多分割を進め基礎的パタンの集合とする方向,もう1つは,画面の1部点あるいは複数部点の,局部的基礎的パタンの成長系と見る方向が考えられる。モンドリアンが残した習作では,その成分の叉点(交差点)がT分岐と十字分岐のみからなっている。今回は,これを一般化して,加えて延長(-),鈎型(L)を含めた系としたものを考えた。そして今回のは;このように,一般の曲線交叉や斜線交叉でない,直角交叉メッシュ系に属するものである。アミダ・メッシュとか楽曲パタンの乗る5線譜様のMM(ミュージカル、メッシュ)等も直交メッシュ系である。但しこれ等の例は「沿線」系であり,これ等の一般系はデダール(迷路)系である。この線路パタンを絵画パタンととしても受け取ることも可能で,特に各区画面に彩色を施せばそれ等は一般的モンドリアン系に含まれることになる。ここで問題はマクロ的画面分割,ミクロな部分核画素に関して,いかに原子的絵画パタンと,その結合系としての絵画的(意)味を与える分子的絵画パタンをを抽出し,そして,これを味覚する代行の回路の建設に向かうことになる。

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