著者
園木 一男 中島 左代里 内藤 徹 高田 豊 横田 誠
出版者
九州歯科学会
雑誌
九州歯科学会総会抄録プログラム 第63回九州歯科学会総会
巻号頁・発行日
pp.11, 2003 (Released:2004-06-21)

糖尿病患者は、酸化ストレスのため動脈硬化を起こしやすい。歯周病は心血管疾忠の危険因子である。そこで、歯周病を持つ糖尿病患者5名(年齢49.2歳、男性4名、女性1名)と非糖尿病患者6名(年齢60.4歳、男性2名、女性4名)に歯周病治療を行い、治療の前後で血糖、脂質および酸化ストレスの変化を検討した。治療後、歯周ポケット、出血指数は両群とも有意に減少した。歯周病治療は糖尿病群の血糖コントロールや脂質に影響しなかったが、糖尿病群で過酸化脂質を改善し、両群で抗MDA-LDL抗体を有意に低下させた。糖尿病患者は歯周病の合併によりさらに酸化ストレスを受けているが、歯周病治療により酸化ストレスが改善されることが示唆された。
著者
横田 誠
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会ソサイエティ大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.1995, 1995-09-05

人間に近似した感性対応のシステムの、内部システムとして、入力系と記憶系との、市場的交渉システムが考えられている。ここで市場的にパタンの分類等の意思決定する部分が、今までは、1個の場合として考えて来た。実際には、市場の機能、規模に応じた、ある有限の数の意思決定主体系が参加し、活動する。又、感性対応システムは、個体的な系と、集団的な系とが考えられる。前者の個体的系にも、内部的には、ニューラルネット的に集団的系になっている。どちらにしても、全ての主体者系が、直接、間接を問わず、その市場に関係する。しかし、特に、人口的規模が大になれば、普通は、代理人的な機能体を介して、間接的に意思決定をしている。今回は、回路システムの立場から、間接的、中間的システムとしての、代議的システムを考える。特に、ノイマンのゲームシステム、アローの不可能システムを背景に「決戦投票的決定システム」や「量子代議的システムにおける、選挙的意思決定システム」との関連から考える。
著者
横田 誠 中山 明峰 蒲谷 嘉代子 竹村 景史 渡邊 暢浩 服部 寛一 宮崎 総一郎 村上 信五
出版者
一般社団法人 日本めまい平衡医学会
雑誌
Equilibrium Research (ISSN:03855716)
巻号頁・発行日
vol.69, no.2, pp.91-95, 2010 (Released:2010-06-01)
参考文献数
12
被引用文献数
1 1

The relationship between dizzy patients and stress is well documented, but that between dizzy patients and sleep disturbance is unclear. This study focused on sleep disturbance in dizzy patients through investigations into their hypnotic medications. Six hundred and twenty two patients were studied, who complained of dizziness and visited Nagoya City University from January 1 to December 31, 2007. The major hypnotic was the benzodiazepine group (65%), and was prescribed to 226 patients (36%). Although prescription of hypnotics tended to increase with the age of the subjects, it was even prescribed often in young adults. The approximate ratio of patients taking hypnotics to those who were suffering from insomnia and without dizziness was 2:1. Poor quality of sleep may cause additional stress, leading to a vicious cycle in patients suffering from dizziness.
著者
横田 誠 武子 政信 斉藤 浩徳
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.51, pp.129-130, 1995-09-20

人間に近似した,情報的感性対応の人工的システムの構築にあたって,今回は,視覚的,特に抽象画的系に対応する系を考える。その対応システムの内部構造と機能は,外部に接続される,パタン系の構造と機能に依存する。パタン系の基礎系として,電流回路系の構造パタンと,その特性パタンの関連から画家モンドリアンに由来する,モンドリアンパタン系について,特に,平面的2次元系について,数理伝送工学の立場から研究を進めている。今回は,絵画パタン系の原系としての3次元像系の基礎系として,3次元モンドリアンパタン系を考えている。今回は,その外表面の部分的欠落系について,その表情的特性に結びつく事柄を考える。
著者
横田 誠 加藤 佳仁 横山 未希子
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.54, pp.259-260, 1997-03-12

人間は複雑系に対応して生きて来た。今回, 問題にする楽曲パタン系も, 典型的な複雑系と思われる。楽曲パタン系を扱うのに, 我々は, 数理伝送の立場から, 正規化系という, 射影関係から, その問題に対応しつつある。一般に, 複雑系といった場合, それが全てにかかわる為, その中核となる, 又は, 基礎となる分野とは, そして, その複雑性を減少させる方法とは, ということを考えたい。音楽的系は, 伝子工学系 (一般化された線路・回路伝送工学) の立場からしても, 他の全ての分野の問題系の, 重要な基礎系である。その楽曲パタン系を正規化系としてゆくのも, その複雑性の減少の試みでもある。通常の科学哲学を背景に, 少し前から, ガイア, ファジー, 痛覚, カタストロフ, フラクタル等のいわゆるニューサイエンスの系列上に, フラクタル, カオスがあリ, 一方, 物理系でも, DNA, 人間原理, 超弦理論等と流行し, 今回の複雑系は, これ等を背景に, 最近, 脚光をあひているものである。我々は, 生物的, 意識・行動的機能, に対応する人工的シスてム, について考えを進めている。今回は, その基礎系として, 楽曲パタン系の問題の, 複雑系としての軽減の試みをする。
著者
有田 正博 北村 知昭 坂本 英治 佐藤 耕一 篠原 雄二 庄野 庸雄 瀬田 祐司 園木 一男 芳賀 健輔 村田 貴俊 黒川 英雄 西田 郁子 林田 裕 寺下 正道 横田 誠 西原 達次 吉野 賢一 小城 辰郎 中村 恵子 木尾 哲郎 大住 伴子 安細 敏弘 一田 利通
出版者
九州歯科学会
雑誌
九州歯科学会総会抄録プログラム
巻号頁・発行日
vol.64, pp.20, 2004

九州歯科大学においては,5年次生を対象に、第1回OSCEトライアル(86名)を2003年3月15日に,第2回OSCEトライアル(94名)を2003年12月6日に実施した。第1回目は5課題(医療面接,ブラッシング指導,ラバーダム防湿,概形印象採得,単純抜歯),第2回目は7課題(医療面接,フィルムマウント,レジン充填,根管治療,支台歯形成,矯正装置の説明,バイタルサイン)であった.平均点は,79.4点および80.4点で概ね良好であった.面接・説明系課題と比較して技能系課題の平均得点率は低かった。また技能系課題においては受験会場および受験時間の違いによる平均点の差が認められた。
著者
新井 高 鈴木 賢 旗生 隆 横田 誠 長谷川 紘司 木下 四郎
出版者
特定非営利活動法人 日本歯周病学会
雑誌
日本歯周病学会会誌 (ISSN:03850110)
巻号頁・発行日
vol.19, no.2, pp.170-176, 1977-06-28 (Released:2010-07-16)
参考文献数
17
被引用文献数
3 2

Purpose of this study was to know the effect of natural and synthetic bristle toothbrushes on plaque removal.Two kinds of natural toothbrushes (animal bristle and pig bristle) and two kinds of synthetic toothbrushes (nylon bristle and rubber) were evaluated using Scrub brushing method. Twelve adults, 6 patients and 6 dentists, 6 males and 6 females, aged 19 to 42, volunteered for this study.Plaque score was calculated with the modified Volpe's method which Suzuki et al. reported before. Facial and lingual tooth surfaces of the six representative teeth (6/41|14/6) were scored, after disclosing the plaque with a 0.5% basic fuchsin.The average percentage of plaque removal on facial and lingual tooth surfaces were as follows.(1) 59.6±16.1% (nylon bristle) (2) 42.3±13.2% (pig bristle)(3) 39.8±14.7% (rubber) (4) 39.5±13.3% (animal bristle)There was a statistically significance at the 5 percent level of confidence between nylon bristle brush and the other three brushes.A similar trend was recognized on labial, lingual, medial and papillary tooth surfaces independently.The scores after brushing were evaluated, also.(The materials of animal bristles are of horse and badger hair.)
著者
中島 左代里 天野 めぐみ 伊東 憲子 橘川 英一郎 菅 義浩 立川 智美 西郡 武史 原田 真紀子 堀 明日香 本城 祐子 内藤 徹 日高 理智 横田 誠
出版者
九州歯科学会
雑誌
九州歯科学会総会抄録プログラム 第62回九州歯科学会総会
巻号頁・発行日
pp.25, 2002 (Released:2004-02-20)

我々は, 北九州市内の小学生253人を対象に, 歯周病学的パラメータのPMA index, CPI, Plaque indexと口呼吸が疑われる徴候の口唇閉鎖困難, 鼻閉塞, 前歯部唇側歯肉増殖, テンションリッジ, 前歯部齲蝕, 口唇乾燥, 口臭, 高口蓋を調査し, その関係を検討した. その結果, Plaque indexの値は, 口呼吸の原因になるとされる口唇閉鎖困難が認められる者はそうでない者に比べて有意に高値であり, 口呼吸の結果生じるとされる前歯部唇側歯肉増殖, テンションリッジ, 前歯部齲蝕においても, 徴候がある者はない者に比べて有意に高値であった. また, 鼻閉塞が認められた者は少なく, 鼻性口呼吸を行っている者は少ないと考えられた.
著者
村岡 宏祐 田中 達朗 久保田 浩三 森本 泰宏 横田 誠
出版者
特定非営利活動法人 日本歯周病学会
雑誌
日本歯周病学会会誌 (ISSN:03850110)
巻号頁・発行日
vol.50, no.2, pp.121-128, 2008-06-28
参考文献数
27
被引用文献数
1 1

本症例は, 慢性歯周炎広汎型の患者で, 歯周基本治療により, 咬合機能が改善された際, functional MRI(fMRI)のBOLD(blood oxygeneration level dependent)信号で咬合状態の改善を示す信号変化が確認されたので報告する。患者は60歳女性で, 全顎的な歯周治療を希望して来院した。既往歴は, 高脂血症である。臨床診査およびX線診査によって, 慢性歯周炎広汎型と診断した。歯周基本治療は, Tooth Brushing Instruction, Scaling, Root planingのみとし, 咬合調整は一切行わなかった。患者の同意を得て, 初診時と再評価時に, 咬合力の診査とfMRIを撮影した。初診時のfMRIでは, 噛み締め時に, 弱いBOLD信号を片側大脳皮質一次体性感覚野のみに認めた。歯周基本治療を行うと, 歯周組織, 咬合力の改善を認めた。同時に, fMRIによる脳血流を示すBOLD信号は, 左右対称性を示すと同時に増加傾向を認めた。<BR>この結果は, 慢性歯周炎広汎型の患者に対する歯周基本治療により片側のみの弱い咬合から両側性の強い咬合状態に変化したことをfMRIによりとらえた可能性を示唆する。<BR>日本歯周病学会会誌(日誌周誌)50(2) : 121-128, 2008
著者
横田 誠 加藤 佳仁 横山 未希子 小川 哲
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会ソサイエティ大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.1997, 1997-08-13

人間の感性機能, 特に情報的感性系のモデル回路システムを考え, その構成成分システムの一つとして, 内外種々のフローに関する市場交渉的処理システムを考えている。ある楽曲パタンが生成されたとすると, 個人または集団の人々の感性処理システムに入力され, そこでは市場的判断機能が発揮される。内在的に慰撫とか鎮魂等の厚生的, あるいは宣揚, 鼓舞等の活性的要求があるところに, それに応ずる楽曲が生成されたとすると, 流行が盛んとなり, 音楽的景気空間が活性化する。 一方, その楽曲パタンの生成系は, いわゆる文化的(遺)伝系列上系でもあるが, これは又, 音楽的遺伝アルゴリズムの問題系でもある。ここでは種族的楽曲パタンの生成系として, その成分系としての遺伝的条件パタン系や, 生成の為の栄養素的部分要素パタン系等と, それ等の結合系を考える。 これ等についても, やはりいずれも, 音楽的伝子工学系の問題系としての線路系としての正規化楽曲パタン系と, そのパタンに関する音楽的意識(対応機能)系としての回路系を考えてゆくことになる。
著者
横田 誠 武子 政信 薦田 幸一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会総合大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.1995, no.2, 1995-03-27

情報的感性対応のシステムの入力系としての線路的パタンの基本系として,抽象画の基礎系としたモンドリアンパタン:MP系を考えている。絵画的パタンは,それぞれ表情をもっている。又一般に絵画的パタンには,そのイメージの元になる実体像があり,その内,人間の,特にその顔の表情が典型的パタンとして問題となる。今回は,与えられた3次元の実体像を源系(ここでは原型)として,これから誘導される3次元モンドリアンパタン系:3DMPの為の基礎系について考える。3DMP系は立方体を素体とする。(n×n×n)の立方体型系を基礎系としている。ここで,その外面の様相によって,表情が変わるとして,一定の外ワクである輪郭を仮定した場合,その表面の凸凹が,その決定要因と考える。一般には複雑な連続的な凸凹となるが,今回は,その最も基礎的系として,埴輪(ハニワ)的な2値パタン系について考える。正面を向いた顔的表情パタンの基幹系は対称型系であるので,又,MP系は,対称系であるタータン・パタンから虫食いパタン系でもあり,一般に非対称系である。今回は,これ等の系の基礎系としてハニワ的対称系パタンの基礎系について考えた。
著者
横田 誠
出版者
神戸大学
雑誌
神戸大学医学部紀要 (ISSN:00756431)
巻号頁・発行日
vol.43, no.2, pp.911-918, 1982-05

β-Endorphin (β-EP) is known to be the most potent among the opioid peptides present in human and animal brains. However, the significance and physiological role of β-EP remain unknown so far. Therefore, to obtain a clue about its function in human, extracts of discrete areas of human brain and pituitary were radioimmunoassayed for β-EP and ACTH contents. The concentration of immunoreactive β-EP was highest in the pituitary (anterior and posterior lobe combined together) (16.1 ng/mg weight {w.w.}), followed by pedunculus cerebellaris superior (226± 104 pg/mg w.w.) (mean±SEM), nucleus ruber (220±65.9 pg/mg w.w.), pyramis (191±93.9 pg/mg w.w.), corpus callosum (182±87.5 pg/mg w.w.), nucleus dentatus (145±80.3 pg/mg w.w.), globus pallidus (138±61.8 pg/mg w.w.), pedunculus cerebellaris inferior (135±111 pg/mg w.w.), capsula interna(120±67.1 pg/mg w.w.), nucleus subthalamicus (107±70.5 pg/mg w.w.), hypothalamus (102±38.5 pg/mg w.w.), crus cerebri (88.4±83.5 pg/mg w.w.) and nucleus olivaris (87.8±41.5 pg/mg w.w.). Almost as similar as observed with β-EP, immunoreactive ACTH content was highest in the pituitary then followed by limbic systems, pyramidal and extrapyramidal systems and so forth. By gel chromatography on a Sephadex G-50 superfine column (1×50 cm), immunoreactive β-EP of the pituitary eluted as three peaks, starting in the void volume corresponding to a common precursor, followed by β-LPH, whose peak was the largest, and β-EP. Chromatography of hypothalamus extracts gave rise to two peaks corresponding to a small component of β-LPH and a large one of β-EP. Pyramis extracts, chromatographed, showed a single peak between the elution position of <125>^I-β-LPH and that of <125>^I-β-EP while zona incerta extracts eluted as a peak in the void volume. Globus pallidus extracts showed three peaks corresponding to the fraction in the void volume, β-LPH, and β-EP, respectively. Crus cerebri extracts had two peaks ; small one in the void volume and large one in the same fraction of <125>^I-β-LPH. Pons extracts disclosed two peaks corresponding to β-LPH and β-EP while extracts of corpus callosum and capsula interna had a broad peak eluting over those of β-LPH and β-EP. These results suggest that immunoreactive β-EP is widely distributed in human brain and also that there is the size heterogeneity in β-EP immunoreactivity in the brain. However, whether immunoreactive β-EP eluting in the fraction corresponding or not necessarily corresponding to the three known components, a common precursor, β-LPH and β-EP are due to authentic β-EP, β-EP-related peptides or crossreactive substances present in human brain remains to be further elucidated.
著者
鈴木 丈一郎 中島 啓介 國松 和司 高柴 正悟 原 宜興 和泉 雄一 横田 誠 鴨井 久一 小田 茂 福田 光男 川浪 雅光 野口 俊英
出版者
JAPANESE SOCIETY OF PERIODONTOLOGY
雑誌
日本歯周病学会会誌 (ISSN:03850110)
巻号頁・発行日
vol.49, no.2, pp.162-174, 2007-06-28
被引用文献数
4 3

臨床歯学では,知識だけでなく技能および患者対応を含めた総合的な習得が求められている。そこで今回,今後の歯周病学実習の内容を検討するために各大学の歯周病学実習で行っているOSCEや臨床実地試験問題の実態を把握することを目的とし,全国29歯学部・歯科大学から,臨床前の歯周病学の臨床基礎実習内容と実習運営の現状に関してアンケート調査を行った。調査対象者は,歯周病学を担当する日本歯周病学会理事29名で,歯周病学実習の実態把握のための無記名式の質問票を,平成15年12月に郵送し,平成16年3月10日までに回収を行った。その結果,29校のうち,4年次に実習を開始するところが最も多く,次いで5年次に開始していた。実習の回数は,2回~23回まで幅広い分布を示していた。また,1回の実習時間は,90分から360分の間に分布しており,総実習時間の平均は34.5時間であった。実習の内容としては,過半数の大学が実施しているのは,歯周診査,ペリオチャート・レントゲン診断,ブラッシング指導,スケーリング,歯周外科,咬合調整,暫間固定であった。OSCE形式の課題としては,ブラッシング指導が最も多く,次いで,スケーリング・ルートプレーニングであった。最近の傾向としては,歯周病の病状説明かブラッシング指導に重点が置かれている。OSCEにおける歯周病学の課題は,今後の歯周病学教育の方向性を示すものであり,非常に重要性が高いと考えられる。
著者
横田 誠
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.49, pp.303-304, 1994-09-20

伝送工学における「線路」と「回路」の概念を,より一般化した,「伝子工学」の立場から,情報的感性対応システムを考えている。今回は,その感性を引き起こす対象を言語空間として考える。言語系には,音素列系と絵画パタン列系の二つがある。今回の言語系は,和歌的系としたので,音素列系と絵画パタン系との組み合わせ系ということになる。和歌的系の特徴として,第一に2音列と3音列の組み合わせ系ということと,第二に絵画的パタン素列系(平仮名に置き換えてあっても)でもあることである。このようなリズミックな動的な形式の上に,情況を表現(表情)する。絵画系が写真的なものより,大胆なデフォルメ,あるいは省略等の描写によるものの方が,共感空間として,適切で,生きたものとすることが出来る。文章にも,法律系や経済交渉系では,数理系のように論理的に厳正でなければならないものと,詩歌のように適切な省略系のものがある。この辺の事情は絵画系に近い。航空写真的絵より,変形省略をした見取り図の方が,案内図としての目的にはより適切である。人物の表情とか,場面状況の表現等において,現物とは異る変形をしたり,大胆な省略したり,故意に不完全な描写等をした方が,作者の意図と観賞者の感受の通信には,むしろ,いわゆる絵画的目的には適切である。更に絵画系を引合にすれば,額縁ワクと云う,ワクの範囲内に表現することが殆どである。これは今回の和歌的(或は俳句的)系が,トータルの語音数のワク内で表現するのと同様である。額縁ワクが黄金比にだとか,画面構図が射影幾何的にだとか,部分要素の輪郭線系が視覚生理・心理に基づく興奮・抑制の機能システムによるものだとか,という条件づけが,今回の問題の基底である。これ等の意味で,いわゆる五・七調を,二・三調を基底に考えて行くのが,今回の立場である。それは又,時系列,空間配列における動的パタンとしてのリズムの問題にもつながり,これが又,他者との共感,共鳴の機能の問題につながる基礎系と考える。それは人間同志が言語的に心情・意思を通じあうように,人間と人間に近似した感性対応のシステムとの間に,近似的共感,共鳴が通じあうようにする為の準備的系と考える。
著者
横田 誠 久保 浩二 末田 武
出版者
JAPANESE SOCIETY OF PERIODONTOLOGY
雑誌
日本歯周病学会会誌 (ISSN:03850110)
巻号頁・発行日
vol.31, no.3, pp.930-940, 1989
被引用文献数
10 3

この研究は初期治療後に歯種や部位によって歯周ポケットの減少度に差があるかどうかを研究することである。被験者は中等度ないし重症の成人性歯周炎に罹患していた41名, 平均年齢40.8歳である。被験者はいずれも初期治療中を通じてオーレアリーのプラークレコードが10%以下を維持 (平均9.02±4.93%) していた患者である。5,938歯面のポケットが用いられ, ポケットの深さを測定し記録した。得られた結果は, (1) 初期治療後, 有意なポケットの減少が生じた (p<0.001) 。 (2) 初期治療によって浅い残存ポケットを示したのは4 2 1 1 2 4, 5 5, 5 3 3 5, 3 2 2 3である。また, 深い残存ポケットは1 1, 6 6, 7 7, 6 6, 7 7, 2 2, 3 3に観察された。 (3) 歯種による治療に対する反応性は5 4 4 5, 4 3 1 1 3 4で良好であり, 7 1 1 7, 7 7では不良であった。 (4) 部位による残存ポケットをみると舌口蓋側中央面が有意に浅く, 頬側中央が特に著明であった。深いポケットを示したのは隣接面である。 (5) 部位における治療に対する反応性をみると特にポケット減少性が悪いのは6 6近心口蓋面と口蓋側中央面, 7 7, 7 7の遠心舌口蓋面, それに1 1の近心口蓋面である。ポケット減少性が良いのは4 4の口蓋側中央面, 5 5, の頬側近遠心面, 4 4の近心舌側面である。<BR>以上の結果は歯周治療中に我々が注意しなければならない歯種や部位を明確にした。