- 著者
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大西 淳
- 雑誌
- 全国大会講演論文集
- 巻号頁・発行日
- vol.45, pp.379-380, 1992-09-28
要求定義において、日本語によるテキストだけでなく、図を併用することによって効率良く要求を仕様化できる。構造化分析技法のDFDやSADTなど仕様化のための図的表現やその支援ツールは数多く提案され開発されている。特にDFDの処理系は上流CASEツールとして各社から製品が出されている。DFDはデータの流れを名前つきの矢印で、機能を円で、ファイルを直線で、データの源泉と吸収を四角形で表し、記号の種類が少ないので覚えやすい、しかしながら、能大式の業務フロー図のように30以上の多種の記号を使う図に慣れた人にとってはDFDは単純化しすぎて使いにくく、記号の種類が少ないので名前や説明を詳細に文章などで記述しなければならない。また、これらの手法では用いられる図形の形状とその意味があらかじめ定まっており、要求定義者のイメージをそのまま図に表することは出来ない。本稿では、要求に現れる実体を任意の形状のアイコンで表現し、実体間の関連を矢印と動作を表すアイコンによって定め、それらをエディタ上で配置していくことによって、要求定義者のイメージを反映させながら要求を定義する手法を提案する。