著者
南雲 淳 田中 二郎
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.54, pp.375-376, 1997-03-12

データ構造の表現の方法として, 辺と節からなるグラフ構造がある. このグラプ構造により表現されたデータをわかりやすく提示するために, グラフ自動描画法が研究されてきている. また現在, 並列論理型言語をグラフによって可視化するビジュアルプログラミングシステムを開発中であり, それにグラフ描画アルゴリズムを応用することを検討している. これは, 並列論理型言語での定義節をグラフの節, 論理変数を辺で表現することにより可読性の向上を図るものである. これまでに提案されているグラフ描画アルゴリズムの多くは, グラフの論理的構造を入力として, その構造の最適な配置を求めるというものであったが, ここでは, 特に人間の手によって入力された形の整っていないグラフを, 再配置の過程をアニメーションのような表現で見せることによってわかりやすさの向上を図るためのアルゴリズムの改良を提案する. あるグラフの再配置を行い, 入力されたグラフから再配置されたグラフに表示を切り替える場合, 再配置されたグラフをいきなり表示するのでなく, 元のグラフから再配置されたグラフヘ徐々に変化しているように見せるのが認知の連続性の観点から言って好ましい. アニメーション的な表示をするためには, 再配置された結果を用いてコマ割りを行い, それを順次表示する方法と, 再配置の計算の経過を順次表示することによりアニメーションとする方法が考えられる. 計算過程を表示するだけでスムースなアニメーションを生成できれば, コマ割りというプロセスが必要なくなり, ビジュアルプログラミングシステムなどのような, アニメーションの最中にも表示されたグラフの直接操作をしたいシステムの制作時に有利であると考えられるため, ここでは後者の方法について研究を行った

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