著者
山本 隆彦
出版者
公益社団法人 日本分析化学会
雑誌
分析化学 (ISSN:05251931)
巻号頁・発行日
vol.36, no.10, pp.592-596, 1987
被引用文献数
1 4

塩化物イオン,臭化物イオン及びヨウ化物イオンそれぞれ0.5mg以下を含む溶液50cm<SUP>3</SUP>に硝酸銀溶液を加え生成するハロゲン化銀の沈殿を0.45μmメンブランフィルター上に薄膜状に捕集し,蛍光X線分析法による各ハロゲン化物イオンを測定する方法を検討した.約0.9M硝酸酸性溶液中に生成したハロゲン化銀は過剰の銀イオンで溶解せず沈殿は定量的に形成される.沈殿条件を5℃,5分間とした.検量線は塩化物イオンは0.1mg以下で直線性を示すが,0.1~0.5mgでは曲線となった.臭化物イオン及びヨウ化物イオンは0.5mg以下で直線性を示した.検出下限は,塩化物イオンで0.2μg,臭化物イオンで0.1μg及びヨウ化物イオンで0.5μgであった.再現性は各ハロゲン化物イオン80μgで相対標準偏差(<I>n</I>=5)は2%以下で良好であった.これらの3ハロゲン化物イオンが共存した試料に本法を適用したところ±3%の誤差で同時定量が可能であった.本法を雪中のハロゲン化物イオンの測定に適用するに当たって,通常の雨水中に含まれるイオンを対象として共存イオンの効果を検討したが,妨害はほとんどなかった.日本海側の雪中のハロゲン化物イオンを測定し,満足すべき結果を得た.

言及状況

外部データベース (DOI)

Twitter (1 users, 1 posts, 0 favorites)

こんな論文どうですか? 硝酸銀による沈殿を用いる積雪中の塩化物イオン,臭化物イオン及びよう化物イオンの蛍光X線分析法による同時定量(山本 隆彦),1987 https://t.co/UBy97dX4hD 塩化物イオン,臭化物イオン及びヨウ化物イオン…

収集済み URL リスト