著者
李 晃伸 河原 達也 鹿野 清宏
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. SLP, 音声言語情報処理 (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.49, pp.281-286, 2003-12-18
参考文献数
15
被引用文献数
7

音声認識システムにおいて,認識結果に対して事後確率などを用いて信頼度を付与することで,発話検証や対話管理などの音声アプリケーションにおいて認識誤りを考慮したより高度な処理を行うことができる.この単語の事後確率を用いた信頼度算出では,通常,認識処理(デコーディング)の結果得られた仮説群のゆう度をもとに計算されるが,十分な精度の確信度を得るためにはN-best候補で数百以上の大量の文仮説を求める必要があり,多くの計算量を必要とする.本研究では,2パストリートレリス探索に基づくデコーディングにおいて,探索中に得られる部分文仮説の尤度から単語の信頼度を簡易かつ高速に算出するアルゴリズムを提案する.後段パスのスタックデコーディングにおける単語仮説展開時に,その次単語仮説の集合およびそれぞれから展開される新たな仮説のヒューリスティックを含む尤度から,その展開単語の事後確率を計算する.通常のデコーディング処理に対して極めて少ない計算量で信頼度を計算できる.認識エンジンJuliusにおいて,N-best候補から事後確率を算出する従来手法との比較を行った結果,提案手法は大量のN-best候補を求める必要がないことから認識処理全体を非常に高速に行え,また信頼度の精度も,簡易な計算法ながらN-best候補を用いる手法と同等以上の信頼度を算出できることが示された.

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