- 著者
-
赤間清
- 出版者
- 一般社団法人情報処理学会
- 雑誌
- 宣言型計算モデル
- 巻号頁・発行日
- pp.87-94, 1993
- 被引用文献数
-
8
関数モデルでは式の評価が計算であり,書換えモデルでは項の書き換えが,また論理モデルでは論理式の証明が計算であるとみなされている.本論文では,これに対して,宣言型計算モデルという新しい計算モデルを提案する.そこでは,「計算とは宣言的プログラムのプログラム変換である」と考える.宣言的プログラムとは,あるオブジェクト空間の元をatomとして作られる節の集合である.適切なオブジェクト空間を選択することによって,項書換えシステム,制約論理型言語,タイプつきユニフィケーション文法を含む,数多くのプログラミング言語や知識表現系における計算の基礎が宣言型計算モデルとして統一的に議論できる.宣言型計算モデルは,プログラム変換,抽象解釈,タイプ推論などを議論するためにも適している.