著者
池田 香代子
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告.IM, [情報メディア]
巻号頁・発行日
vol.95, no.62, pp.31-37, 1995-07-14

これまでうわさは、おもに社会学の分野で研究されてきた。しかし最近、とくに80年代に入ってからは、口承文芸としても、都市伝説、現代伝説などと呼ばれて、世界の先進工業国で蒐集、研究が進められてきた。メディアが発達しても、情報伝達の手段としてのうわさは、役割を終えていない。それどころか、すぐれた情意伝達の手段としても、うわさはマスメディア状況と相乗的に、また補完的に作られ、流布している。うわさからは時代の気分が読み取れる。それは漠然とした不安やその解消、満たされない願望やその充足などである。ここではうわさの文芸学的な研究分野である、現代伝説論を紹介する。

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