- 著者
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鬼塚 雅子
- 出版者
- 埼玉女子短期大学
- 雑誌
- 埼玉女子短期大学研究紀要 (ISSN:09157484)
- 巻号頁・発行日
- vol.10, pp.189-217, 1999-03-01
英国の作家Walter de la Mareの3つの短編小説について論じる。3編とも主人公は10歳ぐらいの少年で、孤独な家庭環境の中で育ち、ある日突然、身近な人の死に出会う。少年たちはそれぞれの死-自殺、他殺、事故死-にどう関わっているのか、かれらに罪はあるのかないのか、かれらは死というものをどのようにとらえているのか。こうした疑問点について、少年たちの心理状態を分析しながら考察する。また、なぜde la Mareが幼い子どもを一人で死に直面させたのか、その真意を探る。