著者
小島 克則 門磨 義則 山内 淳一
出版者
一般社団法人日本歯科理工学会
雑誌
歯科材料・器械 (ISSN:02865858)
巻号頁・発行日
vol.16, no.4, pp.316-321, 1997-07-25
被引用文献数
9

アセトンに6-〔N-(ビニルベンジル)プロピルアミノ〕-1, 3, 5-トリアジン-2, 4-ジチオン(VBATDT)を単独あるいは10-メタクリロイルオキシデシルジハイドロジェンホスフェート(MDP)とともに溶解させた歯科用金属接着性プライマーを試作した.試作プライマーで表面処理した金属にコンポジット系レジンセメントのパナビア21を接着させ, 接着強さを調べた.その結果, VBATDT単独よりMDPと併用することにより貴金属のAg, Pt, Pdや卑金属のCr, Tiでは接着増強効果が認められた.VBATDTとMDPを併用したプライマーを塗布し, 乾燥させる処理では, MDP濃度が1.0wt%の場合, VBATDT濃度が5.0wt%よりも0.1または0.5wt%の方が高い接着強さが得られた.さらに, VBATDTを0.5wt%としてMDP濃度を変化させた結果からは, 好ましいMDP濃度は0.2〜0.5wt%程度であることが示唆された.

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