著者
吉川 周作 三田村 宗樹
出版者
日本地質学会
雑誌
地質學雜誌 (ISSN:00167630)
巻号頁・発行日
vol.105, no.5, pp.332-340, 1999-05-15
被引用文献数
30 45

大阪平野中央部のボーリングコアの岩相・火山灰層序に基づいて, 地下第四系を淡水成層の都島累層と海成・淡水成互層の田中累層に区分し, 田中累層には, 20層の海成粘土層(Ma-1・Ma 0…Ma 12層)が挟まれることを報告した.これらの岩相層序, 火山灰・古地磁気層序や花粉・ナンノ化石などの資料を総合的に検討し, 大阪平野第四系層序と深海底の酸素同位体比層序との対比を行った.その結果, 各海成粘土層(Ma-1〜Ma 12)の形成時期は酸素同位体の奇数ステージ(37〜5)に対比できること, 花粉・ナンノ化石資料からみて, 温暖な気候のもとで高海面を示す海進によって堆積したと考えられるMa 3・Ma 6・Ma 9・Ma 10・Ma 12・Ma 13層は, Shackleton(1997)などが酸素同位体比変化曲線から指摘した特に寒冷な氷期から温暖な間氷期への急変を示すターミネーション直後の間氷期とそれぞれ一致することを明らかにした.本研究の結果は, 大阪平野第四系で認められる海進現象が深海底の酸素同位体比変化曲線と密接に関連しており, 地球規模の気候変動と同調していることを示している.

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