著者
束田 和弘 竹内 誠 小嶋 智
出版者
日本地質学会
雑誌
地質學雜誌 (ISSN:00167630)
巻号頁・発行日
vol.110, no.10, pp.640-658, 2004-10-15
被引用文献数
7 23

従来,飛騨外縁帯の分布・区分などには多くの混乱と問題があったため,その発達史を議論する上で大きな障害となっていた,従来飛騨外縁帯として扱われてきた地層・岩体は,岩相とその占める空間的位置により,(1)中〜上部古生界浅海成層を主体とする地層群(宇奈月帯構成岩類を含む),(2)300Ma以前の変成岩を含み,苦鉄質〜超苦鉄質岩を主体とするもの,(3)後期古生代の石灰岩・チャート・砕屑岩主体層,(4)苦鉄質岩とペルム系砕屑岩,の4つに大別される.後三者は,それぞれ三郡-蓮華帯,秋吉帯および舞鶴帯に帰属を求めることができ,本論では(1)の分布域を飛騨外縁帯として再定義することを提案し,その模式地は福地・本郷・古川地域とする.本論の飛騨外縁帯構成岩類は,宇奈月,白馬岳,福地・本郷・古川,楢谷,石徹白,朝日,伊勢・大野の各地域に分布し,それらは各地域内で断層もしくは剪断帯で寸断されてブロック化している.

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