著者
図子田 和典 岡村 太路 二村 康平 束田 和弘 竹内 誠
出版者
一般社団法人 日本地質学会
雑誌
地質学雑誌 (ISSN:00167630)
巻号頁・発行日
vol.126, no.11, pp.645-654, 2020-11-15 (Released:2021-02-15)
参考文献数
23

Miocene dikes and sills are widely exposed in the eastern Shitara area, Aichi Prefecture, central Japan. Whole-rock chemical composition, grain size, lightness, and the alteration ratio of the intrusive rocks from three outcrops in the Shitara area are described in this paper. The central part of the intrusive rock bodies, commonly dark gray, gradually changes into grayish white toward its marginal part. The lightness of the polished surface of the rocks was measured using the hue, saturation, lightness (HSL) tool in the Inkscape graphics editor. At the white part, plagioclase crystals are fine-grained and severely replaced by secondary minerals such as calcite, whereas plagioclase, at the dark gray part, is much larger than that in the white part and less altered. Turning to chemical composition, common feature cannot be found among three outcrops.
著者
亀井 淳志 阿部 幹雄 志村 俊昭 柚原 雅樹 大和田 正明 束田 和弘 外田 智千 木下 雅章
出版者
国立極地研究所
雑誌
南極資料 (ISSN:00857289)
巻号頁・発行日
vol.53, no.3, pp.283-299, 2009-11-30

第50次日本南極地域観測隊(第50次隊)夏隊のセール・ロンダーネ山地地学調査隊は67日間におよぶ野外調査を行い,その間に必要な電力を太陽光発電で賄った.今回使用した太陽光発電システム(出力電圧約12 V)の1日あたりの発電量は6724 Ahであった.そして,この調査によって以下の3つの重要なことが明らかとなった.1)南極での野外調査生活に必要な電力は太陽光発電システムにより得ることが可能である.2)最大出力電流2.3 Aの太陽パネルは1日あたり910 Ahを発電する.3)夏季の南極は白夜のために日照が途絶える事はないが,当山地では0000 LTから0500 LT (昭和基地時刻) の間に太陽光発電ができない.
著者
鈴木 和博 SUZUKI Kazuhiro 束田 和弘 TSUKADA Kazuhiro 田中 剛 TANAKA Tsuyoshi
出版者
名古屋大学博物館
雑誌
名古屋大学博物館報告 (ISSN:13468286)
巻号頁・発行日
vol.25, pp.9-13, 2009-12-25

中部地方の西南日本外帯の先白亜系に ついて,愛知県豊橋市から浜名湖西方に いたる地域では,秩父帯のジュラ紀付加 コンプレックスが広く分布し比較的よく 研究されている(水垣,1985; 池田, 1990;家田・杉山,1998;丹羽・大塚, 2001;Niwa and Tsukada,2004; 堀, 2004a,b,c,2008).一方,その西方延 長にあたる渥美半島では,先白亜系は第 四系によってほとんど覆われておりあま り研究が進んでいない.渥美半島の愛知 県田原市蔵王山(Fig. 1)には秩父帯のジュラ紀付加コンプレックスが小規模に露出するが,今回, 蔵王山西斜面に露出する付加コンプレックス中の石灰岩ブロックから,後期三畳紀のコノドント化石 を見いだした.この石灰岩体の時代は,渥美半島における秩父帯の構造区分の上で重要と思われるの で,ここに報告する.
著者
丹羽 正和 束田 和弘 小嶋 智
出版者
一般社団法人 日本地質学会
雑誌
地質学雑誌 (ISSN:00167630)
巻号頁・発行日
vol.108, no.1, pp.16-23, 2002-01-15 (Released:2008-04-11)
参考文献数
30
被引用文献数
3 3

岐阜県丹生川村, 町方地域の美濃帯の珪質泥岩および泥岩から, 前期ジュラ紀を示す放散虫化石が多数得られた.本調査地域の中生界は, 泥岩基質中に主に砂岩, 珪質泥岩, チャートおよび苦鉄質火山岩類を岩塊または岩片として含むメランジュからなる.これらは美濃帯の中期ジュラ紀付加コンプレックスの一部とされている.今回, 町方地域のメランジュ基質の泥岩から得た放散虫化石群集は, 前期ジュラ紀を示し, 過去に報告されてきた周囲の付加コンプレックスのものよりも明らかに時代が古い.また, 町方地域のメランジュは, 周囲の付加コンプレックスのメランジュとは岩相上の特徴にも違いが見られる.
著者
束田 和弘 竹内 誠 小嶋 智
出版者
日本地質学会
雑誌
地質學雜誌 (ISSN:00167630)
巻号頁・発行日
vol.110, no.10, pp.640-658, 2004-10-15
被引用文献数
7 23

従来,飛騨外縁帯の分布・区分などには多くの混乱と問題があったため,その発達史を議論する上で大きな障害となっていた,従来飛騨外縁帯として扱われてきた地層・岩体は,岩相とその占める空間的位置により,(1)中〜上部古生界浅海成層を主体とする地層群(宇奈月帯構成岩類を含む),(2)300Ma以前の変成岩を含み,苦鉄質〜超苦鉄質岩を主体とするもの,(3)後期古生代の石灰岩・チャート・砕屑岩主体層,(4)苦鉄質岩とペルム系砕屑岩,の4つに大別される.後三者は,それぞれ三郡-蓮華帯,秋吉帯および舞鶴帯に帰属を求めることができ,本論では(1)の分布域を飛騨外縁帯として再定義することを提案し,その模式地は福地・本郷・古川地域とする.本論の飛騨外縁帯構成岩類は,宇奈月,白馬岳,福地・本郷・古川,楢谷,石徹白,朝日,伊勢・大野の各地域に分布し,それらは各地域内で断層もしくは剪断帯で寸断されてブロック化している.
著者
足立 守 吉田 英一 山口 靖 鈴木 和博 志知 龍一 山本 明彦 竹内 誠 束田 和弘
出版者
名古屋大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2002

数多くの断層により"破砕帯列島"となっている日本列島において、人口密集地の都市部は、家屋、道路、田畑等で覆われているため、地下構造を推定することは容易ではなく、地下構造に応じた地震動対策を立てることは難しい。こうした問題をクリアするために、稠密な重力探査結果に地表地質データ、ボーリングデータ、および地質リモートセンシングデータを組み合わせて地下構造解析を行い、断層のずれの量や破砕帯の規模を推定する研究を行った。主要な成果は以下の通りである。・従来の西南日本重力データベースに新たな重力データを加えて、国土基礎情報としての「日本列島重力アトラス-西南日本および中央日本」(山本明彦・志知龍一編、2004、東京大学出版会)を出版した。・人口密集地の名古屋市とその周辺地域において、1328の地点において新たな重力測定を行い、既存の温泉ボーリングデータ等と組み合わせて、詳細な地下構造解析を行った。その結果、北北西-南南東の枇杷島-熱田断層および東西の熱田-日進断層による基盤岩の垂直変位量が、それぞれ、約550mおよび約350mであることを明らかにした。・岐阜県高山南方の宮盆地において稠密な重力測定、地質調査、リニアメント解析を行った結果、宮盆地には北東-南西方向に延びる著しい負の重力異常域が存在し、2本の横ずれ断層に挟まれたプルアパート・ベイスンとして形成されたことを明らかにした。・阿寺断層地域の花崗岩中に発達する破砕帯の詳細な調査を行い、破砕帯の生成環境と形成プロセスについて明らかにした。