著者
千田 昇
出版者
日本地質学会
雑誌
地質学論集 (ISSN:03858545)
巻号頁・発行日
no.40, pp.39-51, 1992-12-15
被引用文献数
3

九州の中央構造線は松山-伊万里線, 大分-熊本線, 臼杵-八代線という主要な構造線との関係で論じられてきた。活断層からみるとこれらの構造線はいずれも第四紀に活動しているが, とくに大分-熊本線の活動が顕著である。大分-熊本線を南限として, その北方はに7つの地溝が存在し, 中部九州地溝帯を形成している。これらの地溝のうち最東端の別府湾地溝と最西端の雲仙地溝では地溝形成活動が活発に行われている。大分-熊本線の西部は布田川-日奈久断層系の活動により代表され, 右ずれの活動で特徴づけられる。中部九州地溝帯は大分-熊本線の右ずれにともなう引張割れ目として形成されたもので, 北東-南西方向に延びる大分-熊本線の右ずれを引き起こすための東西の圧縮応力は0.7 Ma以降の局部的な圧縮応力場の形成で説明しうる。これはまた, アムールプレート南東部において, それが東進することで生じたshear zoneとの考え方で説明可能である。

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