著者
松永 公廣 前迫 孝憲 菅井 勝雄
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学雑誌 (ISSN:03855236)
巻号頁・発行日
vol.25, pp.161-165, 2001-08-20
被引用文献数
1

小学校における幾何教育にコンピュータシミュレーションを用いるためには, 学習者の状況を合わせた指導方法を明確にすることが必要であろう.そこで本研究ではDOS版で開発した立方体の展開図組立シミュレーションをWindowに移植し, そのシミュレーションと正方形の紙をセロテープで張り合わせて展開図を作成する「紙とセロテープ」による2つの授業方法を組み合わせた実践から, 以下のような結論を得た.(1)2つの授業方法による学習結果を比較すると, シミュレーションを利用した方が試行回数が多かった.学習者は頭に浮かんだ自分のアイデアを確認する方法としてシミュレーションを利用していることがうかがえる.(2)2つの学習方法を組み合わせた授業の場合は, 最初に「紙とセロテープ」を, 次に「展開図組立シミュレーション」を利用した方が成功数が多かった.(3)「展開図組立シミュレーション」を用いた授業では, 児童の興味が展開図以外の多様な図形を作ることにも向くことがあるため, 場合によっては展開図の学習に集中させる授業条件を設けることも必要であろう.(4)学習者は「展開図組立シミュレーション」を用いた授業を楽しいと回答していた.

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