著者
島井 哲志 田中 正敏
出版者
一般社団法人 日本音響学会
雑誌
日本音響学会誌 (ISSN:03694232)
巻号頁・発行日
vol.49, no.4, pp.243-252, 1993
参考文献数
33
被引用文献数
6

131種類10秒間の環境音を実験室内で聴かせて、その快-不快評価と音圧の関係を検討した。用いた音は、自然音13音、生物音15音、人間音23音、楽音18音、ひっかく音8音、日常生活音19音、機械音22音及び信号音13音であった。16人の男子学生にこれらの環境音を提示して、音の快-不快感、その音が何の音であるか、及びその回答の認知の確信の程度をたずねた。被験者は8人ずつの2群に分けられ、ほぼ日常経験する音圧レベルとその約10dBA低い音圧の提示を受けた。快-不快評価の結果では、快い音は音楽や鳥の鳴き声などであり、不快な音は歯科医のドリル、すりガラスを擦る音などであった。快-不快評価と音圧の関係をみると、不快な音では音圧が高くなるにつれて不快になるが、快い音でも音圧が高くなるにつれてやや快くなる傾向がみられた。また、快い音には認知の確信度の低い音はなく、確信度が高い音ほど、快いと評価された。これらの結果は、環境音の快-不快は、音圧が高くなるにつれて、より不快になるという単純な関係ではないことを示し、環境の快適さを図るためには、快-不快や音圧と共に音の認知要因を系統的に検討することが重要であることが示唆された。

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https://t.co/xANOEVlKfS 今だとなんかいい評価基準がありそうである
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