著者
鈴木 洋子
出版者
日本家政学会
雑誌
日本家政学会誌 = Journal of home economics of Japan (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.55, no.9, pp.733-741, 2004-09-15
参考文献数
14
被引用文献数
3

学校教育の限られた時間内に効率よく安全に包丁技能を習得させることを目的に,「きざみ:被切断物を包丁を手にしていない手指で押さえ,包丁の刃を押し出す様に切る切り方」練習に用いる披切断物の高さと幅を,寒天ゲルを用いたモデル実験により検討するとともに,参考として「包丁指導の際に用いる教材の配列」を家庭科担当者への調査を通して検討した結果,以下のことが明らかになった.1)「きざみ」時の包丁操作には,被切断物の高さよりも幅の影響がみられ,切断後の被切断物の状態については若干ではあるが幅より高さに影響がみられた.2)非熟練者の場合は,幅の広い被切断物を切断した際に,包丁を振り上げてから切断を開始するまでの時間が熟練者に比べると長いことがわかった.3)包丁操作の「きざみ」練習を行う際の披切断物の高さは包丁の刃幅の半分程度で,幅は2.5cm程度がよく,小学校家庭科における「きざみ」練習の教材に長年に渡り採用されてきたきゅうりのうす切り(輪切り)とキャベツのせん切りを比較すると,幅が狭いきゅうりの方が適している.4)現行の小学校家庭科第5学年の教材として広く取り人れられているきゅうりのうす切り(輪切り)やキャベツのせん切りは難易度が高いことから,低・中学年期に包丁練習の初期段階として厚めの「小口切り」や「イチョウ切り」の練習を積極的に取り人れるとよい.

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こんな論文どうですか? 包丁技能習得のための被切断物の大きさ(鈴木 洋子),2004 https://t.co/TShbm3e0uA 学校教育の限られた時間内に効率よく安全に包丁技能を習得させることを目的に,「きざみ:被切断物を包丁を手にしていない…

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