- 著者
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森下 敏子
- 出版者
- 社団法人日本家政学会
- 雑誌
- 日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
- 巻号頁・発行日
- vol.45, no.8, pp.709-712, 1994-08-15
マーマレードの調製においては加工過程における柑橘類の苦みの増加が問題となる.本研究では数種の柑橘を用いて,マーマレードを作成し,苦みの変化について検討した.マーマレードは2種類の柑橘の皮を1:1の割合で混合して調製した.リモノイドとフラボノイド量はHPLCで測定した.加熱果皮中のフラボノイドはいずれも大幅な減少がみられることから,これらは製品の苦みに関与しないことが示唆された.リモニンは加熱により減少したのに対し,ノミリンは増加し,マーマレードの苦みはノミリンによることが推定された.ナリンギンの多い品種は風味の良さで5%有意差が得られた.リモニンの多い品種は好まれない傾向を示した.2種の柑橘の混合により,風味が向上することを認めた.