著者
濱口 航介 岡田 真人 山名 美智子 合原 一幸
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-II, 情報・システム, II-パターン処理 (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.87, no.8, pp.1689-1696, 2004-08-01
被引用文献数
1

神経細胞集団のスパイク同期による情報表現仮説が注目を集める中,フィードフォワード結合された神経層を同期発火が連鎖して伝搬する,Synfire Chainと呼ばれるモデルが提案されている.このモデルでは神経結合の一様性を仮定することで解析的な取扱いが容易になっている.しかし大脳皮質においては局所的な相互作用が存在し,近距離の興奮性,遠距離での抑制性の結合からなるメキシカンハット型と呼ばれる結合が確認されている.そこで我々はMcCulloch-Pitts型ニューロンモデルで構成された神経層の間の結合をメキシカンハット型の関数で与え,各層を伝搬する同期発火の発展を調べた.この系は発火パターンのフーリエ0次モードと2次モードの強度の発展方程式を用いて統計的に記述される.この系には非発火状態以外に,層状回路を伝搬する孤立局在興奮と一様興奮の二つのノントリビアルな安定状態が存在することが分かった.更に孤立局在興奮と一様興奮の共存相が存在することを明らかにした.

言及状況

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こんな論文どうですか? メキシカンハット型結合をもつSynfire Chainの理論(バイオサイバネティックス,ニューロコンピューティング)(濱口航介ほか),2004 http://id.CiNii.jp/NS7sL

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