- 著者
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羽渕 裕真
小野 文枝
- 出版者
- 一般社団法人電子情報通信学会
- 雑誌
- 電子情報通信学会技術研究報告. WBS, ワイドバンドシステム (ISSN:09135685)
- 巻号頁・発行日
- vol.103, no.400, pp.49-54, 2003-10-24
- 被引用文献数
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本稿では,情報変調としてコードシフトキーイング(Code Shift Keying, CSK)方式に着目し,拡張プライム符号系列を用いる光CSK/SS(Code Shift Keying/Spread-Spectrum, CSK/SS)方式を提案している。本方式の情報伝送速度,ビット誤り率特性,多元接続性能について理論解析している。さらに,情報変調にオンオフキーイングを用いる光OOK/SS方式と比較検討している。その結果,本方式は,情報変調としてオンオフキーイング(On-Off Keying, OOK)方式を用いる従来方式よりも情報伝送速度をIog_2M(Mは1ユーザ当りの符号系列数)倍に向上できることが示されている。さらに,本方式では割り当て符号系列数を増加することで性能向上が図れることが明かにされている。シングルユーザ環境ではM=4の本方式とOOK方式が同程度のビット誤り率特性となることが明かにされている。したがって,シングルユーザ環境では,CSK方式はOOK方式よりも情報伝送速度及びビット誤り率の両面で優れていることが明かにされている。マルチユーザ環境では,本方式は拡張プライム符号系列のグループ特性とCSK方式の最大値判定法により,干渉キャンセラを利用せずに他ユーザからの干渉の影響を軽減できる。