著者
井上 学 エスマイルザデ リアズ 中川 正雄
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. CAS, 回路とシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.103, no.716, pp.105-110, 2004-03-08

近年,無線通信システムにおいて,複数アンテナを送受信機に用いて,同一時刻,同一周波数で信号伝送を行なう多入力多出力(MIMO: Multi-Input Multi-Output)方式,特に,各送信アンテナから独立な信号系列を送信するMIMO-Multiplexing方式について,同一チャネル干渉の影響低減,周波数利用効率の改善を目指す研究が盛んに行なわれている.本稿では,MIMO-Multiplexing方式において,誤り検出符号の一種である巡目冗長検査(CRC:Cyclic Redundancy Check)を用いた信号分離方式と再送方式について検討を行なった.前者においては,最も良い受信特性を示す信号分離方式である最尤検波法(MLD:Maximum Likelihood Decision)を適用して送信信号を検波した後に,さらにバッファにためておいた受信信号からMLDにより検波された信号を差し引くことで,新たに送信信号を復元する方式を提案した.また,再送時における信号の送信方法として,誤ったパケットのみを効率良く再送する方法を検討しており,前回送信時に誤ったパケットを誤りが生じなかった送信アンテナから再送する選択送信ダイバーシチ法(STD: Selection Transmit Diversity),そして,誤ったパケットに対して時空間ブロック符号化(STBC:Space-Time Block Coding)を適用して再送する方式を提案した.計算機シミュレーションによる特性評価より,各々の場合において提案方式の有効性が確認された.

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こんな論文どうですか? 誤り検出符号を用いたMIMO-OFDMシステムの検討(ネットワークプロセッサ,通信のための信号処理,及び一般)(井上 学ほか),2004 http://t.co/0uJBaO01F8

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