著者
永徳 紀男 柚木 謙一 平川 廣満.
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. C, エレクトロニクス (ISSN:13452827)
巻号頁・発行日
vol.85, no.9, pp.819-827, 2002-09-01
被引用文献数
1 or 0

自然楽器音の特徴の一つはその周波数及び振幅が揺らぎを呈していることである.従来のミュージックシンセサイザではすべてのスペクトルを一律に変調していたため,生成音には自然さが得られなかった.そこでミュージックシンセサイザに自然な揺らぎをもたせることを目的として任意のスペクトルの変調を提案する.提案では,まず,電圧制御型発振器が含む任意の単一スペクトルを1個の状態変数形フィルタによって同時に抽出,消去する.この抽出したスペクトルを超低周波で変調した信号と同一のスペクトルを消去した信号をアナログ的に加算する.本論文では,任意のスペクトルを周波数変調あるいは振幅変調する場合の理論式を示す.次に,状態変数形フィルタの構成と基本動作について述べる.このような方式のミュージックシンセサイザを製作し,実験により単一のスペクトルの抽出,消去の動作とビブラート変調,トレモロ変調について検証できた.提案したミュージックシンセサイザは従来の回路に状態変数形フィルタを追加するのみで実現されるもので内蔵の超低周波発振器で揺らぎの深さ,速さを確実に制御できた.

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