- 著者
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川村 正樹
岡田 真人
- 出版者
- 一般社団法人電子情報通信学会
- 雑誌
- 電子情報通信学会論文誌. D-II, 情報・システム, II-パターン処理 (ISSN:09151923)
- 巻号頁・発行日
- vol.84, no.10, pp.2302-2311, 2001-10-01
- 被引用文献数
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系列想起モデルにおける想起過程の厳密解を議論する.連想記憶モデルの想起過程を解析するための理論として, 経路積分法や統計神経力学が提案されている.経路積分法は厳密解を与える理論であるが, 系列想起モデルでは, 定常状態しか議論されていない.我々は想起過程を議論するために, クロストークノイズの時間相関に注目し, 過渡状態を含むすべての場合に適応可能な厳密解を求めた.驚くべきことに, クロストークノイズがガウス分布に従うと仮定した統計神経力学の結果とこの厳密解は一致する.クロストークノイズの正規性を調べるために, クロストークノイズ分布のキュムラントの時間発展を調べた.その結果, パターンを想起することに失敗した場合においても, 3次と4次のキュムラントは0になっており, クロストークノイズが常にガウス分布に従っていることを確認した.また, 理論と計算機シミュレーションより得られる想起過程の結果は一致している.更に, 巨視的な不安定定常状態がセパラトリックスに完全に一致していることがわかった.