- 著者
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雨宮 好文
- 出版者
- 一般社団法人電子情報通信学会
- 雑誌
- 電子情報通信学会技術研究報告. EMCJ, 環境電磁工学 (ISSN:09135685)
- 巻号頁・発行日
- vol.99, no.18, pp.1-6, 1999-04-22
- 被引用文献数
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3
「送電線とがん」の問題は多くの人の関心を集めている. 1998年6月に米・国立環境衛生科学研究所 (NIEHS) の諮問委員会はEMF RAPIDプログラムの支援を得て組織したWGのレポートのドラフトを公表し, 「電力線磁界が発がんの原因になりうる」との見解を示した. 同委員会は動物実験や細胞の実験の発がん性を確認できず, 疫学研究の結果に対して委員の意見が分れ, 結局19対9という投票で発がんの原因になりうるとしたとのことであるが, この疫学論文の評価は, なにを目安にして行われたかドラフトでは明らかでない. 例えば, 原著者さえ「公衆衛生問題とはならない」と述べでいる論文までも, 同ドラフトはボジティブであるとしている. 本報告においては, 小児白血病にかんする疫学論文について, 同ドラフトが行った評価について再検討する.