- 著者
-
前川 泰之
- 出版者
- 一般社団法人電子情報通信学会
- 雑誌
- 電子情報通信学会技術研究報告. SAT, 衛星通信 (ISSN:09135685)
- 巻号頁・発行日
- vol.101, no.380, pp.7-12, 2001-10-17
- 参考文献数
- 7
大阪電気通信大学(寝屋川市)構内で過去13年間連続測定した放送衛星電波(11.84 GHz、右旋偏波、仰角41.4°)と通信衛星ビーコン波(19.45GHz、右旋偏波、仰角49.5°)の観測データを用い、各種前線通過時におけるKa帯およびKu帯衛星電波の降雨減衰特性について比較検討を行った。減衰比の年変化には、梅雨期と秋雨期の停滞前線による降雨の影響の大小関係が深く関連しており、梅雨期に停滞前線上を低気圧が通過する際に発生する降雨では両周波数帯の減衰比が大きいのに対し、秋雨期の前線の南側で発生する降雨では夏季の夕立と同様減衰比が小さいことが分かった。この変化は主として雨滴粒径分布の差異で生じることが示された。