- 著者
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川本 真一
- 出版者
- 一般社団法人電子情報通信学会
- 雑誌
- 電子情報通信学会技術研究報告. CPSY, コンピュータシステム (ISSN:09135685)
- 巻号頁・発行日
- vol.104, no.537, pp.19-28, 2004-12-13
カルフォルニア大学バークレー校とスタンフォード大学はITシステムの可用性向上を主眼として,共同研究プロジェクトRecovery Oriented Computing(ROC)を推進している。著者は一年間スタンフォード大学に滞在しROCの中核技術の一つであるMicrorebootの研究に携わった。本稿ではROCの概要とMicrorebootの実現と評価について紹介する。ITシステムにソフトウェア障害が発生したとき,その多くはシフトウェアを再起動することによって復旧することが多い。Microrebootは,ソフトウェアのうち障害の発生したコンポーネントのみを再起動することによらて,ソフトウェア全体を再起動する場合に比べ早期にサービスを復旧し,システムの可用性を向上する技術である。評価実験より,Microrebootはソフトウェア全体の再起動に比べ可用性を一桁向上できるごとが分かった。